内容説明
少ない物的資源を有効に使い、無駄なく再利用していたこと。狭くプライバシーも制限された住居に暮らしつつも、近隣の人々とうまく付き合い、和やかな人間関係を築いていたこと。そして、しっかりした教育を受け、よく本を読んでいたこと。「与えられた場で懸命に生きる」人生を自然に送っていたこと。
こうした江戸庶民の生の「内側」を幅広く捉え、さまざまなエピソードとともに本書は紹介していきます。江戸庶民のあり方は21世紀に暮らす私たちにとって、「生きた」知恵の宝庫です。図版多数。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紙狸
10
2019年刊行。著者は、江戸時代の庶民の心情に近づくために二つのアプローチを用いる。石田梅岩の心学の研究、もう一つは木版画。庶民に道徳教育が浸透していたことが社会の安定、治安の良さにつながった。著者は、江戸時代の平和が好きなのだ。個人的に面白かったのは、江戸で麺類はうどんが主流だったのが18世紀後半に蕎麦がとってかわった、という話。江戸は当初、醤油を関西に依存していたが、次第に周辺で生産できるようになり、「鰹節の出汁に醤油を加えて作られた蕎麦つゆ」が普及した。今でも東京は蕎麦がうまい。江戸の遺産だ。2021/08/12
ソフトバンク
0
アメブロに書きました https://ameblo.jp/softank/entry-12816772211.html2023/08/14
空木
0
題材は面白かった。江戸時代の庶民の話をすると幕末に日本を訪れた外国人の話がでてくるね。他の本でもそうだったなあ。外国人の文は必ず日本語訳されてるけど、当時の日本で書かれた文は現代語訳があったりなかったりで読みにくい。訳が有るなら時間かけて元の文読まないよ。最後の方の老いと男性の髪型、女性のお歯黒の結びつけは無理があるように感じた。2020/06/09