講談社文庫<br> 夫のちんぽが入らない

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講談社文庫
夫のちんぽが入らない

  • 著者名:こだま【著】
  • 価格 ¥660(本体¥600)
  • 講談社(2019/04発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065129708

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内容説明

ひとりの女性の静かな叫びが、多くの心を貫いた――衝撃の感動作。同じアパートに暮らす先輩と交際を始めた“私”。だが初めて交わろうとした夜、衝撃が走る。彼の性器が全く入らないのだ。その後も「入らない」一方で、二人は精神的な結びつきを強め、夫婦に。いつか入るという切なる願いの行方は――。「普通」という呪いに苦しんだ女性の、いじらしいほど正直な愛と性の物語。

目次

夫のちんぽが入らない
文庫版特別収録エッセイ ちんぽを出してから
解説 末井昭

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

307
著者のデビュー作。教員経験ありだからか、文章が上手くて読みやすかったです。夫は他の女性、自分も他の男性とは出来るのに、1番愛する人とは出来ないという現象があるのは驚きました。周囲の人たちの何気ない会話や、身内の出産など本人たちにとってとても敏感になってしまうワードが世間には溢れすぎているなと感じました。普通の夫婦が歩むみちを歩めない、でも打ち明けられない人たちは多く存在するだろうしどんな形でも夫婦が納得しているなら良いのだと思います。2018/10/13

青乃108号

288
「おしまいの地」シリーズで馴染んだ覆面作家、こだまさんのデビュー作。そのタイトル故か地元の図書館には待てど暮らせど所蔵されず、かといって本屋で買う勇気もなく、ネットでポチるという技も身に付けていない俺は、読みたい読みたいとずっと思っていたのだが、運営さんのキャンペーンのお陰で電子書籍版を購入出来、やっと読めた。読み始めるとこれはまるでジェットコースターの様、遅読の俺がなんと2時間半で読み切った。こだまさん夫婦の赤裸々な事情。彼女が夫にも作家である事を明かしていない理由が漸く腑に落ちた。素晴らしかった。2024/12/21

そる

259
おもしろい、興味深い、とても心揺さぶられた。心情が共感。言葉遊びが絶妙で笑えるのに切なくて辛くて泣ける。好きな人と繋がれないのはすごく辛い。でもこの夫婦お互い必要としてるし、支えあってるのに干渉し過ぎないから素敵すぎる。精神病んだ時はもう少し頼った方が良かったけど、言えないのも分かる。この2人に希望の光が見えるといいなと思う。「そうですか?僕はこんな心の純粋な人、見たことがないですよ」「さんざん考え、悩み抜いた末に出した決断を、そう生きようとした決意を、それは違うよなんて軽々しく言いたくはないのです。」2018/12/14

yoshida

239
タイトルで驚く作品だが、この作品はこのタイトルが良い。生きづらさを抱える夫婦の形を、妻の眼線で描いた切実な私小説。入らないことよりも、作者が病んでいく心理が印象に残る。私は数年をかけて病んだが、作者は急速に病む。作者が様々な考えの拘りや執着、固定観念から、真の意味で離れることが出来たのは本作を書けた為と思う。人はそれぞれに悩みや闇を持つ。程度の差はあれど、他人はそれを批判することは出来ない。その悩みや闇の深さは本人にしか分からない。つらいものはつらい。人間の普遍的な悩みを描いた作品である。一読の価値あり。2019/01/10

ゆいまある

207
ブログのような軽いものを予想していたら違った。とても美しい文章。親に虐待され、自分は醜いと思い込んでる女性が自然と好感を持った男性と結婚。だが彼のちんぽが大きくて入らない。行きずりの相手なら入ることからも心因性が疑われるが、極端な恥ずかしがり屋のこの人にその事を強要することなどできない。鬱になり自殺を考えてもひたすら自分を責め続ける姿に、いっそ精神科に行って、医者の治療が悪いから何もかもうまくいかないと八つ当たりしてくれと心がひりひりした。最後まで一貫して誰のことも責めずに生きる姿が尊い。お勧め。2019/07/26

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