内容説明
引きこもりの高三女子・詩織、ミュージシャンの夢破れた三十男・リュー、ヤクザまがいのおっさん・サトケン。震災の爪痕も生々しい気仙沼で、即席のアイドルグループが結成された。それぞれに喪失感を抱えながら、立ち直りたい、変わりたい、笑いたい、その思いでがむしゃらに活動する。しかし、サトケンには時間がなかった……。感涙長篇。
(『気仙沼ミラクルガール』改題)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かおる
28
「リカ」を書いた作家さんとは思えない爽やかなお話でした。実際にありそうな話だな〜なんて思っていたらやはり実在のモデルがいたんですね。色々言う人もいるでしょうが、胸張って頑張ってほしいです。「やりたいのか、やりたくねえのか。」自分も常に自分に問いかけたいです。2019/05/21
ニカ
26
気仙沼が舞台の、ご当地アイドルグループの物語。震災後の話しが軽いタッチで描かれているが、内容はそこそこ重い。あとがきを読んだら、実在のモデルがいるとの事。2021/12/19
おれんじぺこ♪(16年生)
24
【気仙沼ミラクルガール】の改題、だそうです。震災後の気仙沼が舞台。そこに住む女の子達がアイドルとして成長していくお話。裏表紙に『サカケンには時間がなかった…』とか書かれてる時点で終わりもなんかわかるけど、泣けた。破天荒だけど、すごい人だな、サカケンさん。2019/12/11
kk
23
震災の記憶に苛まれ、まだ前への一歩を踏み出せずにいる主人公達が、ご当地アイドルユニットの立上げプロジェクトを進めていく中、大切なことに気づかされていく物語。ちょっと重くて、かなりベタです。が、ベタで上等。これは被災地の人達だけでなく、夢と現実の狭間で揺れる、全ての人々のための物語かもしれない。「行け行け行け!」のサトケンと「そんなこと言っても…」的なリューとの対話って、実は僕たち読者一人ひとりの心の中の2つの声なんじゃないかな。被災地の、本当の意味での復興が一日でも早からんことを、改めてお祈り致します。2019/04/26
kasumi
12
アイドルを目指す青春モノと思って読み始めたら、東北の大震災の後の仙台の物語。登場人物にはモデルがいるそうで、それぞれの想いがとてもリアル。ニュースなどで見るだけでは、そこに生きる皆さんの深い悲しみや、前を向こうともがく苦しさが全然わかってなかった。まだまだ心の傷が癒されてない方も多いと思う。忘れないためにも読んで良かった。2020/06/17