内容説明
明治から大正昭和。時代は再び混沌に。陰謀、裏切り、暗殺、中傷、純愛、恋の逃避行、政略結婚、死。そして日中の結び目は、ぷつんと切れた――。舞台は東京から、北京、上海へ。中国革命に炎を燃やす男達と支えた日本人の希望と挫折の物語。現代史で避けられていた時代に鋭く光を当て《日中百年の群像》を描く!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
紙虫
4
あまり並べて書かれることのない魯迅と蒋介石の2人、日本との関係をふまえてその生涯を描くことで日中戦争前夜の東アジアをあぶりだす。一読の価値ある力作です。青年時代の自己形成に日本がかかわった2人、歴史の分岐点がいたるところにあったのだと気付かされる。両国の国民性、時代性、民度、今につながる様々な要素、たくさんの宿題をもらえる一冊だった。2019/06/23
鈴木貴博
4
下関条約から盧溝橋事件までの40年あまりの日本と清朝・中華民国との関係、特にその中でも1920年代から30年代にかけては、極めて複雑で混迷した時代の一部であり、また様々な可能性を秘めた時代でもあった。”戦争前夜”となってしまったこの時代について、魯迅・蔣介石という全く違う立場ながらそれぞれ日本と深い関わりを有した二人とそれぞれの人間関係に焦点を当て、考察する。時代をより多角的立体的に深く理解するとともに、あったかもしれない可能性に思いを馳せ、そして現在を未来を考えることができる好著と思う。2019/04/22
アンコ椿
0
中国革命史に興味が出てきた。2020/03/25