内容説明
「この本を手にとってくれた君が、自分以外の人間や身の周りの世界に対して、ゴツゴツした岩みたいなよそよそしさを抱いているとしたら、そんな感覚から自由になれる考え方があることを知ってほしい。……自分を取り囲む世界と多少なりともなめらかにつながっていけるイメージを持ってくれたらいい……」。名著『友だち幻想』へと続くテーマを、やさしく深く語りかけるようにつづった「幸せ」のデザイン。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
青蓮
89
恋人との関係で何時も悩んでいるので何かヒントにならないかと思って手に取りました。相手に全てを解ってもらおうと期待し過ぎない事や理想自我と現実の私とのバランスの大切さなど、自分でも頭では理解していたのですが改めて本作を読むとそれ等の背景にある理由が明確でストンと納得出来ました。此処で使われる「他者」と言う距離感覚はとても大事なものである事も知りました。社会は同質性から異質性へと変化していて個々が異なる事を前提により心地よい繋がりで社会が成り立つ事は民主主義や誰もが平等である事をより深化させていくと思いました2019/03/07
はるき
32
自分の軸をしっかり持ったうえで他者を尊重する。リア充は幻想(そこまでは言ってないけど)自己中心ではなく、自律が大切。2019/01/12
団塊シニア
27
「友だち幻想」同様期待を裏切らない作品である、無理な自己否定は無理なダイエットと同じで心にも身体にもよくない、全く傷つかない人生なんてありえない、自分の傷つきやすさを自分のなかで認めてあげることも大切という作者のメッセージは心に残った。2019/08/20
neco
22
これは、新しい「幸福論」だ。著者の優しい語り口が心地よい。自由であるが故の苦悩を抱える現代社会において、どのように自己や社会、他者との距離を取って生きていくか。「友だち幻想」と重なるところもあるが、こちらの方が、自分をどうやって形作ってゆくかが丁寧に語られている。「自分なりの「幸福のデザイン」を描いていくために、自分を取り囲む世界とのつながりをきちんと考えること、自分の心の柔らかさを失わない形で、でも傷つくことを少しずつ避けられるような「構え」を自分の中で作っていくこと」著者の愛に溢れた実に良い本だ。2019/01/15
橘
18
優しい語り口で好きです。苦にならず出来る大好きなこと、磨いていこうと思いました。傷付くことを恐れすぎず、〈生のあじわい〉を深めるために。2020/02/26