内容説明
世界の三大漁場の一つを経済水域内に持ちながら年々漁獲量を減らし、後継者不足の問題や近隣諸国の海洋進出も相まって、衰退著しい日本の水産業。この凋落の原因を水産資源管理政策に見出し、客観的なデータから国際標準との差異を指摘、さらに水産資源取引の現場の知見をふまえて解決策を探っていく。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
塩崎ツトム
6
客観的データをもとに、日本の水産業界が「死に体」を通り越してもはや「死んだオウム」状態になっているという悲惨な事実を突きつけてくる恐ろしい本。どうしてこうなるまで放っておいたんだ!2019/07/02
サメ社会学者Ricky
2
水産資源管理の失敗により危機的状況を迎える日本と、科学的根拠に基づくTACの設定・個別割当制度によって資源を回復し発展を続ける他国の比較、および国際的な議論における日本の問題点。IWC脱退についても触れられており、この時期に読むにはちょうどいい本と言える。一部の環境NGOの過激な原生自然保護思想の立場からではなく、水産資源の持続的な利用のために、一刻も早く対策の実施が望ましい。僕たち消費者と理解を示す必要がある。2020/02/06
zanzalve
2
日本の危機的な水産業。 かたや世界的には持続可能な優良な業界になっている事実。 根本的な原因は将来を見渡せずその場しのぎの政府対応。漁業者も目先の利益の確保にしか目がいかない。消費者もマグロが食べられないとか、絶滅危惧種のウナギをハレの日でもなく食べ続ける。 政府の外交術もめちゃくちゃ暗澹たる思いがします。 世界6位の200海里の水面資源を持続可能な形で利用できる比較優位な立場を上手く活かして欲しい。2019/06/13
サメ社会学者Ricky
1
環境が変わったから、他国が乱獲している…。そういう側面もあるかもしれない。しかし、ベーリング海のスケトウダラの事例や震災が起きた後の資源回復などの事例からも分かるように、日本が乱獲をして資源を食い潰し、結果として衰退が起きているのは否定できない。幸いにも根本的な利害は対立していない。安定して獲れるようになり無理な競争がなくなれば漁業者もメリットを得られる。個別割当制度の問題も技術である程度乗り切れるのではないだろうか。2020/04/21
takao
1
ふむ2019/08/11