幻冬舎新書<br> 天皇のお言葉 明治・大正・昭和・平成

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幻冬舎新書
天皇のお言葉 明治・大正・昭和・平成

  • 著者名:辻田真佐憲【著】
  • 価格 ¥1,045(本体¥950)
  • 幻冬舎(2019/03発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784344985483

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内容説明

天皇の発言ほど重く受け止められる言葉はない。近代国家となった明治以降、その影響力は激増した。とはいえ、天皇の権威も権力も常に絶対的ではなかった。時代に反する「お言葉」は容赦なく無視され、皇位の存続を危うくする可能性もあった。そのため時代の空気に寄り添い、時に調整を加え、公式に発表されてきた。一方で、天皇もまた人間である。感情が忍び込むこともあれば、非公式にふと漏らす本音もある。普遍的な理想と時代の要請の狭間で露わになる天皇の苦悩と、その言葉の奥深さと魅力。気鋭の研究者が抉り出す知られざる日本の百五十年。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

アキ

63
天皇の存在は、時代的でありながら超時代的であり、人格的でありながら超人格的である。それは天皇の「お言葉」に現れている。明治・大正・昭和・平成天皇の公式、非公式に発せられた言葉の数々からそれぞれの歴史を実感する。明治天皇の即位は14歳。生涯で9万3023首もの和歌を詠んだ率直な感情や、大正天皇は1367首の漢詩を残され、非公式な言葉が人格を語る。なんといっても昭和天皇の激動の歴史と言葉が印象に残る。父昭和天皇の思いを引き継いだ平成天皇「天皇としての旅を終えようとしている今」という言葉に気持ちが込められている2019/10/02

おかむら

32
明治から平成まで四代の天皇の公式非公式発言をまとめたもの。やはり昭和天皇のパートが波乱万丈。神から人(象徴)への切り替えってすごいことよ。明治天皇は厳しいイメージでしたが意外な人間味も(なんせ京都弁やし)。大正天皇はやはりお茶目。平成天皇はこの中では面白エピソードが無くて、なんか、出木杉くんのようで、令和の天皇にプレッシャーかかりそうな気もする。そしてどの戦争の宣戦詔勅も、朕は平和を望んでるのに外国がアレなのでやむを得ずって感じなのが、ちょい怖い。2019/05/09

ころこ

31
このタイミングで天皇の「お言葉」といえば、上皇の譲位の表明が思い浮かびます。否応なく政治的に注目される天皇の「お言葉」は、特に戦後は表向き非政治的に扱われるジレンマを抱えているため、譲位の「お言葉」を聞いた今であればその政治性が際立つ格好の事例だったと振り返ることが出来ます。昭和天皇の有名な「あ、そう」や明治天皇が京都弁だったことなど、現前させることの効果を狙った身体言語としての行幸と共に「お言葉」を本当は検討されなければなりませんが、本書はイデオロギー抜きにして語れる時代の到来に気付かされます。2021/02/21

くさてる

18
いわゆる「お言葉」を通じて分析する、時代による天皇像の移り変わりと、天皇そのひとの人間性。明治天皇の言葉で始まった最初は、難しいかな、と思ったけれど、難しい言葉には「大意」の翻訳もあって助かりました。時代背景の説明も丁寧でわかりやすかった。そして、ところどころに見え隠れする肉声や、ひととなりといったものが感じられるのがとても良かった。この時期に読むことができて良い本でした。興味がある人にはおすすめです。2019/05/05

おっとー

10
現在では象徴としての天皇像が定着したためか、天皇が発する言葉はある種の儀礼的なイメージが強い。しかし、明治天皇からの発言を辿っていくと各天皇の思わぬ個性が垣間見える。特に60年以上も天皇の位にあった昭和天皇は、戦争初期には否定的な言葉を見せたものの、いざ開戦して戦果があがるとそれを悦び、負け戦が続くと「なんとか米をピシッとやれないものか」と嘆き、終戦後は象徴としての務めを模索しつつも政治に口を出す、そして国民との慣れない交流に「あーそう」と応答し続け、一人の人間としての姿が随所に顔を出す。2021/12/25

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