日本経済新聞出版<br> 誰も知らない金融危機 LIBOR消滅

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日本経済新聞出版
誰も知らない金融危機 LIBOR消滅

  • 著者名:太田康夫【著】
  • 価格 ¥2,640(本体¥2,400)
  • 日経BP(2019/03発売)
  • ポイント 24pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784532358143

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内容説明

長年国際金融ビジネスの指標として用いられてきたLIBOR(ロンドン銀行間金利)が不正操作スキャンダルで信用失墜。2021年に消滅することになりました。
LIBOR廃止は、日本にとって他人事では済まされません。日本の金融機関、投資家、一般企業も巻き込む大変な事態なのです。外貨建て債券を買った人はその金利がLIBORに連動しているものが大部分です。中小企業で米国などに進出する際、建設費用をドル建てで借りていれば利払いはLIBORという契約が少なくありません。そうした取引の契約内容の柱である金利指標を変更しなければならないのです。ただし新しい指標の金利が投資家に有利とは限りません。契約の見直しにおいて大混乱が想定されます。
現に2014年にパウエルFRB理事(現、議長)は「LIBORが無くなれば、150兆ドルに上る契約が見直され、長期にわたり、高い費用がかかり、不透明な交渉が必要になる。しかもLIBORが無くなった時の頑強なバックアップはない」とし「恐ろしい混乱だ」と表現しています。この混乱は不可避であることをいち早く覚った国際金融に関わる金融機関は、戦々恐々として始めています。テクニカル・デフォルト、集団訴訟のリスクが高まっているためです。
本書は、国際金融市場の指標であるLIBORの誕生、発展、不祥事による危機、見直し、廃止までの波乱万丈の軌跡を明らかにするもの。LIBORは世界で350兆ドルの取引に使われていますが、Xデーは刻一刻と近づいているのにもかかわらず、その影響の割には対応は進んでいません。日本の金融機関の多くは、本書によって初めて影響の大きさを知り、対応への奔走が始まることが想定されます。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぐんまくん。

2
当たり前のように接していたLIBORやTIBORの誕生、拡大の経緯はとても興味深かった。そして、その歴史の浅さに驚いた。特にTIBORが、1989年とは! 代替となるRFRが通貨によって前提が異なるのは知らなかった。 2021年末LIBOR廃止は過ぎたが、幸い大きな混乱はない。2022/11/06

RyoShun

1
LIBORの利用状況:300兆ドル2021/10/03

真名

1
最終章で触れられていた「修正グローバリゼーション」が印象的だった。これまでグローバル化が進み、各国の規制が及ばない中で金が移動し利益をあげる人々がいたが、それにより格差が拡大したことで逆方向の動きが生まれた。LIBOR消滅もそのような流れの一環で、これまで民間で決められてきた金利が、各国の中央銀行などの監視下に置かれることになったー。グローバル化はこれからどうなるのだろうか。2020/10/19

ぼいじゃー

0
2021年に消滅するとされるLIBORについて、歴史と現状、そして消滅の影響をまとめた一冊。現在5通貨で公表されているLIBORの取引は、合計300兆ドル、日本円にして3京円に上るとされるが、もはや巨額すぎて想像がつかない。これはLIBORがグローバル金融において利便性の高い統一指標として、様々な取引に参照されてきた結果である。LIBORなき後の代替指標の議論は進んでいるが、消滅の影響を完全になくすことはできない。経営から現場まで、様々なレベルでの工夫が求められていくだろう。カウントダウンは始まっている。2020/05/31

kaz

0
LIBORをめぐる事件の概要は知っていたが、誕生した経緯、内在する問題、事件の詳細等は認識を新たにした。TIBORの問題点もわかりやすくまとめてある。組織の略称等がなかなか頭に入らず、以前のページに戻って確認しなければならないのが難。コロナ問題の終息が見えない中、新たな指標づくりやその定着がうまく行くのか、気が抜けない。 2020/04/23

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