資本主義と闘った男 宇沢弘文と経済学の世界

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資本主義と闘った男 宇沢弘文と経済学の世界

  • 著者名:佐々木実【著】
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  • 特価 ¥1,886(本体¥1,715)
  • 講談社(2019/03発売)
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  • ISBN:9784065133101

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内容説明

その男の人生は20世紀の経済学史そのものだった――。〈資本主義の不安定さを数理経済学で証明する〉。今から50年以上も前、優れた論文の数々で世界を驚かせた日本人経済学者がいた。宇沢弘文――その生涯は「人々が平和に暮らせる世界」の追求に捧げられ、行き過ぎた市場原理主義を乗り越えるための「次」を考え続けた理念の人だった。――ノーベル経済学賞にもっとも近かった日本人 86年の激動の生涯――

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

trazom

119
宇沢先生の生き様とともに今世紀の経済学の変遷が理解できる充実した一冊。先生を市場原理主義との対立軸で捉えていたが、実はアメリカ・ケインジアンへの失意の方が大きかったかもしれない。ベトナム戦争や水俣病などに深く関わり「行動する経済学者」として先生が到達された社会的共通資本の概念に深い感銘を覚える。昨今、SDGsやESG投資の言葉とともに宇沢先生の名を口にする人がいるが、「経済学の原点はコンパッション」「大切なものはお金に換えてはならない」という先生の志は、そんな胡散臭い流行語とは比べ物にならないほど気高い。2023/02/16

KAZOO

118
宇沢先生のほとんど完璧といえる伝記あるいはそれに伴う作品論が書かれたような気がしました。宇沢先生については日経新聞の私の履歴書、集英社新書の元岩波の社長によるものが今までではかなり真実を伝えていましたが、この本はそのとくに業績全般について補っている部分が多いと感じました。私は宇沢先生ほとんどの著作を手にしていますがこれほど克明に理論形成などを追った評論なども読んだことがありません。非常に力作であると思いました。2019/06/13

1959のコールマン

61
☆5。宇沢弘文の評伝だが、それがそのまま戦後の経済学史(アメリカ)及び現代史(日本)になっている。故に経済学史の知識(特に戦後アメリカの経済学)を持っているとより良く読めると思うが、分からないところをすっ飛ばしても十分内容がわかるようになっている。浅学な私は、ケネス・アローに招待されてから、日本に帰国するまでのアメリカ経済学会における貢献度が半端じゃなかったとは全然知らなかった。ましてや、ノーベル経済学賞を受けたジョージ・アカロフ、ジョセフ・スティグリッツ、そしてロバート・ルーカスなどを育てたなんて。2020/02/19

Sam

58
宇沢先生の評伝。評伝を読んでこんなに胸が熱くなったことはなかった。数学を志した学生時代、数理経済学者として時代の最先端を走っていた米国時代、日本に帰国し公害問題を端緒に「社会的共通資本」の確立に情熱を注いだ時代が丹念に描かれている。経済学は社会科学ではあるが、それに留まらず人間としてどう生きるかという問題と切り離せなかったのが宇沢先生の素晴らしさでもありある意味悲劇でもあった。「経済学の原点は、人間の心を大事にすること、一人ひとりの生き様をどのように考えていくかなのです」という宇沢先生の言葉が重く響く。2021/10/17

壱萬参仟縁

45
宇沢先生も、ラスキン、河上肇『貧乏物語』に傾倒されていたと知り、経済学徒としては頼もしい存在だ。数学から、数理経済学へと転向されたのは正解だったのではないか? スタンフォード大学、シカゴ学派。ヴェブレンなどの制度経済学。それに、デューイや鶴見俊輔まで、幅広く登場する。さらには、環境経済学の系譜から、公害の宮本憲一。都留重人、森嶋通夫と、幅広く経済学の重鎮が登場する。大部にふさわしい内容である。また、開発経済学からは南北問題の提起、農業経済学のシュルツ、東畑精一の章立てもあるので、経済学史としても読める2019/05/19

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