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内容説明
世界に開かれていたのは日本ではなく「琉球」だった! 13~17世紀の古琉球の時代、ボーダーレス海域でどのような歴史と文化が展開されたのか。琉球に残されたかな文字の碑文や『歴代宝案』などの外交文書、中国・朝鮮ほか、近隣諸国に残る史料などから総合的に検証。冊封体制論からはみだした古琉球の独自の事象を浮き彫りにする。同時代の日本を含むアジア世界の歴史のありかたに境界史から光をあて、その全体像に新たな視角を拓く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Emkay
16
隋の時代の「琉求」への言及から、島津征服に至るまでの古琉球の域内情勢と、王国成立後の周辺国との関係を、断片的な資料から探る貴重な書。江戸時代に島津藩に統治されていたことぐらいしか知らなかったので、勉強になることばかり。種子島や奄美大島の方が確かにヤマトとの関係性が強かったこと。15世紀に三山が統一され、王国成立後の明、朝鮮、日本、フィリピンとの関係性や距離感の中で、特に日本が頭一つ抜け出た存在ではなかったこと。島津藩が九州で勢力を強め、豊臣、徳川政権下に琉球への拡張意欲が育まれたこと。すべて新鮮だった。2020/12/29
MUNEKAZ
10
島津氏による侵攻以前の「古琉球」を扱った一冊。神女や女官の権勢の強さや『おもろさうし』の世界など、中華でもヤマトでもない独自の文化がそこにあった様子はなかなか面白い。意外であったのは国家として航海士を多数抱えていたのではなく、福建や博多の商人など、倭寇的な勢力も含む海の人々に依存していたということ。朝鮮との数少ない交易では、こうした怪しい人々がうごめいている。また五山僧が日琉間の外交官としてかなり積極的に動いており、この時代の東アジアの外交の基層に、漢文や仏教の素養が横たわっていたことがよくわかる。2019/09/21
の
5
日本中世の対外関係史を研究してきた著者が、歴史学の立場から、あらたな古琉球像を提示する本。琉球人の起源・琉球の基層文化から説き起こし、沖縄本島に三つの小王国が併存する三山時代を経て、1420年代に中山王国が統一を達成、海洋アジアの中継点として豊かな活動を展開する様相を描く。明・朝鮮・日本との多彩な往来を軸とし、東南アジア諸国をも交易圏におさめた古琉球は、中世東アジアで日本と肩を並べる「国」であった。貿易で南蛮につながったり、強固な基層文化を伝えていたりする古琉球の姿は、わくわくする意外性に富んでいる。2019/08/12
takao
1
ふむ2025/04/13
ヒデじい
1
読みたかった概要を掴むものでなく、専門的な内容でした。結構読み飛ばしてしまいましたが、沖縄の歴史を深く知ることができる興味深い本でした2020/05/21