内容説明
時に、二一九五年、日本は倒産しました――すべてのSFファンに捧ぐ「ガラスの地球を救え!」、最後の地球人がイルカと出会う表題作他、笑いと脱力、まさかの感動に満ちた十二の名短篇。日本よ、これが小説だ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Bugsy Malone
80
オマージュいっぱいのオタクSFから太鼓鳴り響く怪獣時代劇、ホラーに落語にハードボイルドと感動するやら笑っちゃうやら、元ネタを探すだけでも楽しくなっちゃう短編集。1月は怪獣本月間にするつもりだったので、思わぬ怪獣物?が収録され、これを1冊目にしちゃいます。大変面白かった。2021/01/01
hnzwd
45
笑酔亭シリーズの作者だとは知らずに読み始め、、スプラッター、パニックホラー、ブラック、ギャグと何でもありのSF短編集。どことなくニヒルだったり、オチが付く話が多いなぁ、と感じていたら、後半に本当の落語も。読み終わってからシリーズ作者と気付き、納得でした。多少のスプラッター耐性あれば、オマージュたっぷりで楽しめる短編集かと。2016/01/21
いたろう
40
作者初読み。シリアスな作品も一部にあるものの、ほとんどが、駄洒落、パロディーで覆い尽くされた、その昔に流行った日本のSF作家のナンセンス・ドタバタSFのような短編集。しかも、パロディーの元ネタがかなり古かったりするので、若い人には何のことやら、というより、ギャグだということ自体に気づかないところもありそう。そんな中にあって、「歌姫のくちびる」が、SFホラー作品として異彩を放っている。こんな作品なら、もっと読んでみたい。2016/02/11
yumiDON
32
SF作品から、時代物、現代物、シュールなオマージュ作品にブラックコメディ、とバラエティ豊かなごった煮の一冊。勝手なイメージですが、ライトな筒井さんという印象を受けた。印象に残ったのは、壮大な語り口の表題作、「イルカは笑う」タイトルからして、インパクトがあります。近未来、ありそうな世界観です。「屍者の定食」ホラー風味のブラックコメディ、主人公が真面目なのがまた、物語と噛み合わないのに噛み合っていてよい。「あの言葉」ハードボイルドと甘さのバランスがちょうどいい。「あの言葉」気になりますよね(笑)2018/10/11
ぜんこう
28
図書館が長期休館のため清水の舞台から飛び降りるつもりで買った本(すみません大げさすぎました^^;) 前半は安心のダジャレ満載、こういうのを読みたかった、この暗い世の中で(すみません大げさすぎました^^;) 途中でダジャレが見つからないシリアスなものや、ジャズとホラーが融合したものなどいろんな作品が読めました。 やっぱりダジャレ多めの作品が好きです(^o^)2020/03/29