創元推理文庫<br> 赤い館の秘密

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創元推理文庫
赤い館の秘密

  • ISBN:9784488116026

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内容説明

長閑な夏の昼下がり、田舎の名士の屋敷、赤い館で一発の銃声が轟いた。死んだのは、オーストラリアから15年ぶりに館の主マークを訪ねてきた兄ロバート。死体を発見したのは館の管理を任されているマークの従弟ケイリーと、館に滞在中の友人を訪ねてきた青年ギリンガムだった。発見時の状況から一緒にいたはずのマークに疑いがかかるが、肝心のマークの行方は杳として知れない。興味を惹かれたギリンガムは、友人ベヴァリーをワトスン役に、事件を調べ始める。『クマのプーさん』で有名な英国の劇作家ミルンが書いた長編探偵小説、新訳決定版。/解説=加納朋子

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイ

124
『プーさん』の作者がプーより前に書いた推理小説。もう少し捻りがあるかと思ったが、素直なつくりだと思う。この唯一のミステリ作品への作家ご自身での評価は高いように思えるが、ミステリ作家とならなかったのは納得出来る。2019/07/28

NAO

81
【2021年色に繋がる本読書会】江戸川乱歩が探偵小説黄金時代のベスト10の一冊に選んだ作品。謎めいた兄弟、秘密の通路とミステリアスな内容に、名探偵ホームズをリスペクトしているとあっては、当時のミステリ好きにはたまらなかっただろうが、今読むと、よくあるミステリのひとつ、といったところか。内容よりも、『くまのプーさん』の作家が書いたということに注目されるのではないだろうか。ちなみに、探偵役のギリンガムは、横溝正史の金田一耕助のモデル。英国紳士があのような服装も態度も無頓着な青年になってしまうのだから驚きだ。 2021/02/01

ポップ

37
赤い館に友人を訪ねたギリンガムは事件に遭遇する。被害者は館の主人マークの兄ロバートだ。ギリンガムは私立探偵になる第一歩として独自の捜査に乗り出す。ワトスン役のビルの活躍は鍵を握る。1人芝居の演技、秘密の調査中に暗号発信、池の中に潜水まで、献身的な働きだ。トリック自体に目新しさはない、と書きつつ、最後までわからなかった。巻末の加納朋子さんの解説はライトなミステリファンには為になる。本書は約100年前の作品で乱歩のベストテンにも選ばれていた。ギリンガムが金田一耕助のモデル説に「どこらへんが?」は同意しかない。2020/10/04

ほちょこ

37
プーさんの作者の書いた本格ミステリ。コテコテの古典ミステリで、どこか読んでいてホッとするような謎解き。そしてひょっこりプーとコブタくんが出てきそうな雰囲気。いやいや、それでも実に真面目な探偵小説。2019/04/24

tonnura007

33
赤い館の主マークを訪ねてきたのは放蕩者の兄ロバート。その直後銃声が響く。ロバートの死体が見つかりマークは行方知れずに。館を訪れたギリンガムは友人をワトソン役に自身は探偵として事件を調査する。 言わずと知れた古典的名作。作者に読者をミスリードする意図はないのか、事件に関わる登場人物(容疑者)があまりに少ない。当時としては真相はなかなかトリッキーで斬新であったと思う。現代としては使い古されたものではあるがこれぞ古典。旧訳で読んだ時は読みにくさを感じたが、新訳版では情景を描きながらじっくり味わうことができた。2024/04/15

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