内容説明
「電力の鬼」と呼ばれた男・松永安左ヱ門。戦後、政官の圧力をはねのけ、電力会社9分割という大事業をなしとげた彼は、生涯、在野を貫きとおした。親しくその謦咳に接した著者が描く、日本経済の礎を築いた実業家の、不屈にして痛快な、90余年の生涯。元首相・小泉純一郎氏も絶讃した名著! 『民は官より尊し』改題作品。政・官に屈せず、電力民営化をなしとげた男の痛快な生涯――こんなスゴイ男がいた!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Willie the Wildcat
30
無私の大局観と言動の一貫性。前者が産業計画会議における勧告、後者が勲一等瑞宝章授賞式!?ユーモアも氏の武器。吉田元首相の”手土産”が、場の空気を変える瞬間は秀悦!(笑)懐の深さ。「疲れる」は敗北主義!失礼しました・・・、反省。(汗)但し、人間性を最も感じたのが、奥様の墓石の付句。泣かせるなぁ。様々な面で気苦労もかけた分の感謝の念なのだと推察。小泉元首相の後書きに、(複雑な立場ながらも)氏への敬意を感じる。2014/10/25
うたまる
2
「アメリカとの戦争はこれで終わったのではない。これから日本はアメリカと戦争を始めるんだ。それは武力を使わない経済戦争だ。その戦争にわしは先頭に立って参戦してやる!」……”電力の鬼”と呼ばれた松永安左エ門の評伝。77歳にして電力会社9分割を成し遂げた剛腕ぶりも凄いが、歯に衣着せぬ放言癖もまた凄い。曰く「官吏は人間のクズである」「首相より国民を取り換えろ」「俺は勲章や名誉のためにやってきたのではない」など。まあ、カリスマ性はあるわね。でも本書は評伝というよりヨイショ本に近い。もう少し客観的に書いて欲しかった。2017/02/15
mizushima hiro
1
ここまで全精力をかけることが出きるのだろうか。 自分の人生を振り替えるとない。 そこそこの努力をして、どこかで楽な道を選んできたような気がする。 読んだ後、まだこれからでも遅くはないと刺激を受けた。2019/08/25
Taiji Ozawa
0
電中研の初代理事長:松永さんの信念・功績などを綴った本。戦後の日本を支えた団塊の世代を、更に下支えしていた功績と、その礎となる信念・大局観(明治思想?)に感服。現在の電力システム改革も、このような方が居られると、とつくづく思う。この本を読んで福沢諭吉にも興味が湧いた。仕事始めまでに読了したかったので、そこも満足。あと、解説で首相になる前の小泉純一郎が郵政改革について言及している点も興味深かった。2014/01/04
エバンス
0
大学卒業にて記した「我が人生は闘争なり」を生涯を通じて体現している人だ。電力民営化の闘争についてさらに詳しく調べたいと思った。2013/05/06