内容説明
この本で紹介するケースは、けっして他人事ではありません。「赤ちゃんを強く揺さぶって傷害を負わせた」として逮捕された親たち。しかし、つかまり立ちからの転倒などが原因であっても「虐待」だとして断罪されていたのです。最愛の我が子が脳に障害を負うという苦しみのなか、虐待を疑われた親たちの過酷な体験を描きつつ、欧米では虐待の根拠にはなっていない「揺さぶられっ子症候群」について専門家の視点を交えて究明します。
目次
はじめに
第1章 「虐待した親」というレッテルを貼られて
第2章 「つかまり立ち」から転んでしまって
第3章 日本における「揺さぶられっ子症候群」
第4章 脳神経外医たちからの反論
第5章 海外の最新事情と「SBS検証プロジェクト」
第6章 立ち上がった親たち
最終章 「私は虐待していない」に耳を傾けて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ロア
27
シェイクン・ベイビー・シンドローム(SBS )は仮説に過ぎないことは今では世界の常識。でも日本では、予算を組んで大々的に対策が実行されてるので今更中止は出来ません〜ってそんな…。いや、むしろ日本らしさ全開か。虐待親と決めつけて実名報道し、過激な表現で世間を過剰に煽りまくるマスコミ。それを見た正義感に溢れた正しい人々は、無実の人を断罪しまくることで無意識の優越感に浸るんだ。下品すぎて見てられないよ。全く身に覚えがなくても、その訴えがあっただけで犯人と確定されてしまう痴漢冤罪と同質の恐ろしさを感じました。2019/05/30
遊々亭おさる
19
揺さぶられっ子症候群(SBS)とは、乳幼児が頭部へ何らかの刺激を受けた際の脳へのダメージ(硬膜下血腫・眼底出血・脳浮腫)のことを指す。原因は保護者からの虐待と考えられ、診断が下ると親子の強制的な分離や保護者の逮捕などに繋がるケースが多くあるという。しかし、米・英などの国ではSBSと虐待の関連性を疑問とする声が上がり、信頼性は失われているが、何故か日本の小児科医と法曹界は信仰のようにこれを唯一絶対の根拠として冤罪を多く生み出していると本書は説く。正義感とプライドを両手に持った頭の良い人たちの暴走の結果だと。2019/04/23
ゆうゆう
17
3徴候(硬膜下血腫、眼底出血、脳浮腫)=SBS(Shaken Baby Syndrome)=虐待となると、うわぁ、我が家は紙一重で虐待親にされなかっただけかと、恐ろしくなった。確かに徴候を見逃されて、いくつもサイン出していても救われなかった痛ましい虐待もあれば、たった1回で重大な致命傷を負って親から犯罪者へ転落なんて。愛情注いだ我が子から、ほんの一瞬目を離したすきに。必要なところに必要な福祉が届かないなんて、残念すぎる。アマゾンのCM深すぎるCMだったのね。2019/06/19
鳩羽
14
S B Sと呼ばれる乳幼児揺さぶられ症候群は、ある3つの症状があると可能性が高いとされる。世界的には S B S=揺さぶられたという判断に疑義が起こっているが、日本ではS B Sがあれば、つかまり立ちの途中で転んだだけであったとしても、診断から虐待ありきで起訴される。虐待を見過ごすよりはというオーバートリアージの考えに基づくらしいが、冤罪から親子分離などが行われていいのかと問題提起する本。MRや脳外科医の診断もなく、他の外傷や生活環境の調査もなく、断罪されていく親の悲痛な訴えに恐ろしさしか感じなかった。2019/05/24
すけまる
13
この本を鵜呑みにするならば、これほど衝撃的なことはない。事故で起きたことが虐待になってしまう。子育て版「それでも僕はやってない」といったところ。でも「それ僕」と違うのは、怪我をさせてしまったという事実があるから余計に不利かなと思う。そして、この本は一方的感が強いかなと感じた。主張することは都合のいい部分だけ、対立側は悪者のように書いていると感じた。ただ、子育てしている人ならばこの状況には誰でもなり得るというのは怖いと思った。子育てを気を引き締めるという意味では有意義な本だったかなと。「オーバートリアージ」2019/06/20
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