内容説明
遥か昔、イギリスのエリザベス朝の時代に、売れっ子の脚本家がいた。その名は、ウィリアム・シェイクスピア。彼は『ハムレット』をはじめ、さまざまな大ヒット演劇を世に送り出したが、唯一、後世に知られていない作品が―『スター・ウォーズ』だ。現代になり、『スター・ウォーズ』は映画として甦り、多くのファンを魅了したが、このシェイクスピアの脚本が再度発見されるまで、シェイクスピアとスター・ウォーズとのつながりは、忘れられたままだった……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
九月猫
51
シェイクスピアもスター・ウォーズも好きだけど「もし、シェイクスピアがスター・ウォーズを書いたら」どうなるか、想像もつかなかった。そうか、こうなるのかー。タイトルと表紙でもわかるように真面目に笑えます。真面目であればあるだけ笑えるパターン。訳者あとがきで大爆笑と紹介されていたルークがストームトルーパーのヘルメットを手に「ああ、哀れストームトルーパーよ」と嘆く場面は挿絵も合わせて吹き出した。今作はEP4。12月にEP5「帝国、逆襲す」、来春にEP6「ジェダイ、帰還せり」が刊行される予定とか。楽しみです。2015/10/14
Saku
10
スターウォーズエピソード4をシェイクスピアが書いていたらという設定で舞台台本化。著者からも訳者からもスターウォーズ愛が感じられノリノリなのが良い。シェイクスピアを読んでいればもっと楽しめたのだろうと思うけれど、読んでなくても注があるので十分に面白い。 R2-D2のセリフが舞台劇なので傍伯として書かれていて、それが結構毒舌なのが笑える。2016/01/10
テツ
9
シェイクスピアがスターウォーズの脚本を書いたら……という一冊。スターウォーズの場面がシェイクスピア好きには馴染みのある文体や表現で繰り広げられる。とことんくだらない。でもそのくだらないことを大真面目にやっていることが素晴らしい。掲載されているイラストもいいね。正直言うとスターウォーズ自体はほとんど見たことがないのだけれど、これを読み終えたらとても見たくなった。秋の夜長にはこういう気軽に笑える本がいいですね。面白かったです。2015/10/05
きゅー
8
シェイクスピアが書いた風な戯曲によるスター・ウォーズエピソード4。スター・ウォーズに関する断片的な知識と、シェイクスピア劇に関するうろ覚えの知識で読むと、ちょっと変なシナリオのようにしか読めないのは自分のせい。とてもおもしろい試みだと思うけど、残念ながら日本語にしてしまうと原文の韻文が再現できないのは翻訳の宿命。とても努力されているのが伝わってくるだけにもったいない印象が強く残った。パロディものなので、スター・ウォーズを愛するファン、あるいはシェイクスピア劇の愛読者のいずれかであれば楽しめるかもしれない。2016/02/24
atik
5
『スター・ウォーズ』をエリザベス朝演劇の体裁で再現した脚本。弱強五歩格の韻律、所々で踏まれる韻、散りばめられたシェイクスピア劇の台詞のパロディなど、「ここまでやるか」と思わせる徹底ぶりには思わずにやけてくる。これらの形式のパロディを日本語訳で見事に再現したのは河合祥一郎氏。河合氏はシェイクスピアやルイス・キャロルの翻訳においても、原文の韻律や言葉遊びを日本語で再現するという芸当をやってのけているが、本書においてもその手腕がいかんなく発揮されている。作者と翻訳者の両作品への思い入れが感じられる本だった。2015/09/19
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