内容説明
発達障害者の側から多数派社会のルールやコミュニケーションを研究する「ソーシャル・マジョリティ研究」をまとめた初のテキスト。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
がりがり君
6
ソーシャルマジョリティと言っても定型発達をかっこよく言い換えたに過ぎない。マイノリティはマイノリティ同士でわかりあえるのだという。だとするとマイノリティの何が問題になるのでせうか。2020/02/03
aof
4
大好きでずっと通っていた研究会が本になってることを知って、本当に嬉しい。 しかも、研究会のときよりわかりやすくなってるのがすごい。 人間の機能はめっちゃ高性能で、微細な調整を常にし続けていることがよくわかる。人間すごい。その調整がうまくいかないのがマイノリティなのだとしたら、その人と個別に調整をしていけばいいだけじゃんと吹っ切れるような気持ちになれる。 あとチキさんの「マクロに問題があるのに、ミクロ単位で矯正してもどうにもならない」という話はいじめに限らず、社会問題の本質だと思った。2019/05/30
うさぎさん
4
ソーシャルマジョリティ研究という新しい学問分野により、生涯発達学等におけるコミュニケーション研究について、「障害」に着目するのではなく、「マジョリティ」(所謂「普通の人」)によって形成されたコミュニケーションルールを確認し、それについてコミュニケーション障害の人とされている「マイノリティ」がどう違和感を持っているのかを明らかにし、原因究明や解決策の提示をしている。 特に私が有意義と感じるのは、マイノリティ側の抱えている分からなさへの論理的解釈により、自己理解ができることかと思った。大変興味深い一冊だった。2019/01/10
ぷほは
3
暫定今年ベスト。まず「当事者研究」はそれ単体ではプロジェクトとしては完遂されず、問題の当事者を社会的マイノリティの当事者たらしめたマジョリティ側の理論的解明とセットで初めて意味を成すというアプローチが素晴らしい。後半ではエスノメソドロジーが参照されるが、この分野に特有の難解さがあまりなく、図示と事例によって驚くほど飲み込みやすい議論展開になっている。また平田オリザのロボット演劇に関する議論は、77年だか8年だかに栗原彬がゴフマンのドラマツルギー論を使って寺山修司の「観客席」を分析していたのを思い出した。2021/11/06
しかっくま
3
発達障害者当事者による「普通の人」の研究。それをソーシャル・マジョリティ研究と呼び、当事者兼研究者である著者が、各学問分野の研究者とコラボし、当事者の困難や疑問を解き明かそうという試みだ。1章の感情の生起と理解、4章の3人以上の会話ルールを扱った章が非常に面白い。「自分では共感しているつもりだが、他人からは人の気持ちが分からないと言われる」「1対1ならいいが、3人以上だと話せなくなる」という困り事を、基礎研究の理論の面から解説する。対人関係に悩む当事者に一読をお勧めしたい本だ。2019/03/18




