内容説明
少年時代から、鏡やレンズ、ガラスに異常な嗜好を持ち、それが高じてついには自宅の庭にガラス工場まで作ってしまった男がたどる運命は……(「鏡地獄」)。表題作のほか、 「人間椅子」「人でなしの恋」「芋虫」「白昼夢」「踊る一寸法師」「パノラマ島奇談」「陰獣」という、乱歩の怪奇・幻想ものの傑作・代表作を選りすぐって収録。編/解説・日下三蔵
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
A.T
30
新潮、岩波、創元推理文庫…と乱歩の短編集は数多く出ているが、今回は角川版。タイトルでは短編集とわかりにくいし、この表紙絵の軽薄さは何だろう。どす黒いほどのエログロ、倒錯の愛を含んだ怪奇幻想の世界が1ページでも読めば押し寄せてくるのに、、、このアッケラ感としたアニメ柄。まぁ、余談はいいとして十数年ぶりの乱歩を堪能した。「人間椅子」「鏡地獄」「人でなしの恋」「芋虫」「白昼夢」「踊る一寸法師」「パノラマ島奇談」「陰獣」。「屋根裏の散歩者」が抜けてるのが残念。2020/05/22
Yuri
19
登録忘れ。8編全て既読作ですが、表紙絵コラボなので、押さえておきたくて。『鏡地獄』『パノラマ島綺譚』『芋虫』どれも大好きな作品。再読はあまりしない派ですが、何度読んでも良いものは良い✨2022/11/06
孤島天音
9
破滅と隣り合わせの狂気的な嗜好。アンビバレンスな感情。五感を揺さぶる、鮮烈な極彩色の悪夢。どうやったらこんな悪夢みたいな物語を紡げるんだろう。「芋虫」の悲哀は忘れ難い。「パノラマ島奇談」の執拗な海底トンネルの描写が好き。2023/08/15
silka
3
青空文庫で読了2022/08/09
てんぷら@なかま
3
表紙が綺麗だったのと江戸川乱歩の芋虫が読みたくて買った。「芋虫」はなんとも言えない気持ち悪さと切なさがあって私は好きだったけど人にオススメするのははばかられる、好きな人はとても好きだと思う。他の収録されている作品もどれも面白かった。特に「人でなしの恋」「人間椅子」が好き。 不快ではない気持ち悪さとでも形容するべき独特な雰囲気が漂っていると思う。 2020/03/03