内容説明
「すべて、吹き飛んでしまえ」
突然の犯行予告のあとに起きた新宿駅爆破事件。容疑者は渡辺篤人。たった15歳の少年の犯行は、世間を震撼させた。
少年犯罪を追う記者・安藤は、渡辺篤人を知っていた。かつて、少年犯罪被害者の会で出会った、孤独な少年。何が、彼を凶行に駆り立てたのか――? 進展しない捜査を傍目に、安藤は、行方を晦ませた少年の足取りを追う。
事件の裏に隠された驚愕の事実に安藤が辿り着いたとき、15歳のテロリストの最後の闘いが始まろうとしていた――。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
そる
275
ラノベとして出されているけども社会的に真剣な物語。被害者家族、加害者家族どちらの気持ちも分かってしまい辛い。少年法の問題点も提示されていて被害者のことを考えると厳罰化で実名報道、加害者のことを考えると更生のために守らなくてはならない⋯答えはきっと出ない。ミステリー仕立てになっていて、予想はつくがそこが良い。主人公2人が明るい未来であるよう願う。「気遣いも気分転換も不要なものだ。ボクは傷を忘れたくない。元気になりたいわけじゃない。ただ求めるのは、家族の喪失を埋め合わせる対価のみ。余計なことはいらなかった。」2022/08/12
うっちー
164
非常に難しいテーマです。読みやすい小説として問題提起してくれました2022/05/06
茜
160
少年法、加害者とその家族、被害者とその家族達、そして報道被害について問題提起されている内容です。渡辺篤人の苦悩と矛盾が描かれていて良かった半面、黒幕がちょっと安易だったかなと思いました。最後に篤人とアズサはどんな話しをしていたのかなぁ。きっと明るい未来の話しをしていたんじゃないかなと思いました。2021/04/20
chiru
129
「ぼくはテロリストだ。最後の最後までボク自身が世界を吹き飛ばす爆弾でなくてはいけない」 予告どおり起きた新宿駅爆破事件。少年犯罪を追う記者の終わりのない問いかけ。そして15歳にして最期の戦いが始まった…ありきたりに終始しないストーリーテリングにグイグイ引っ張られ、現れた真実を皮切りに物語は一気にハンドルを切る。水面に浮かぶ月のように手を伸ばしても掴めない。それは少年自身であり社会そのもの。少年が伝えたかったことを、スノードロップの花言葉を、まだ見ぬ未来を、信じ続けてほしいと願って本を閉じました。★4.52021/04/17
hiace9000
121
少年犯罪、その被害者家族と加害者家族の両方の側面からその心情を描く社会派ライトノベル。読書ターゲットエイジは中高生向けにセットされている?のだろうか、ややご都合主義的な"できすぎ側面"はなきにしも…だが、世の矛盾や正義の刃の向けどころという点で様々な思索や示唆を与えてくれる。展開は読めたとしても、そこに向かうリーダビリティは十分。表紙から受ける「孤高の天才少年テロリスト感」は、作品に対し余計な先入観を持ってしまうので、そこには注意が必要。そんなんじゃないし、とだけは言っておきたい。2025/03/31
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