内容説明
偉大なるスター、キング・オブ・ポップが51歳で急逝。子供時代、二人の兄、一人の姉と共にグループでデビュー後、独立して類稀な歌と踊りで世界の救世主となっていた。
遺されたのは11歳の娘、名前は“傷痕”。だがその出生は謎に包まれ、ポップスターの本当の子供なのかどうかさえ明らかではなかった。色めき立つイエロージャーナリズムの記者や、遺族を名乗る者たち。彼女は、世界は、カリスマの死をどう乗り越えるのか――。
解説・尾崎世界観
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アッシュ姉
67
表紙の少女が主役かと思いきや、そうではなかった。桜庭さんの描く少女の物語が好きなので、そこは残念だったが、MJへのオマージュ作品として読了。偉大なるキング・オブ・ポップがどれほど多くの人々に愛されていたのか、彼を失った深い悲しみ、スーパースターの孤独と苦悩、残された家族の想いに触れることができた。欲を言えば、著者らしい混沌と疾走感が欲しかったし、ちょっとテイストが違うので、どういうきっかけで執筆されたのか気になるところ。2019/07/31
Junichi Yamaguchi
48
『魔法みたいだろ』… もちろん、MJを想像しながら読み進めたが、清志郎さんを思い出しての読了。僕の中ではJapanese king of popは清志郎さん以外浮かばない。king of rock でもあるが… だからか、この言葉しか浮かばない。「愛し合ってるかい?」 久々に本の感想を書けない。。2019/02/26
としなり
35
世界的スーパースターの急死。残された一人娘。娘は常に仮面を被り、素顔が知れない11歳の少女。その名は「傷痕」。桜庭ワールド全開です。このにじみ出る雰囲気が好きですね。奇抜で掴みどころがよく判らない話ですが。。2019/02/21
イトノコ
28
キング・オブ・ポップと呼ばれた偉大なシンガーの死。彼と関わりのあった者たちがそれぞれ彼を語る。娘、あるファン、スキャンダルを追った記者、彼を訴えた少女、姉…。スターの偶像は、それを見る者の鏡。その虚像が集まって、時代というより大きな虚像を作る。そんな彼も、ひとりの息子で、弟で、父親であった。体に残る無数の傷痕は、彼の父親が(方法の是非はあれ)彼を愛した証。そう消化できたから、娘に「傷痕」の名を送ったのか。終章で傷痕が語った「パパを、愛しています」のひと言で、苦しい人生を送った彼の魂が救われたように感じた。2019/03/08
TCD NOK
27
マイケル・ジャクソンに捧ぐ作品。なぜ日本人の設定なのかが分からないが、彼が死んだ直後は世界がどよめいたのは覚えている。生前は変人だとか少年性愛者だとか噂もたてられ、莫大な財産を揺すって獲ってやろうとする輩も多くいたけれど、そういう輩からマイケルを守る人がいてほしかった。未だに変人だと思ってる人も多い。彼は全世界から愛されるべき人だと思う。全然本の感想じゃなくなってしまった。2020/04/17