講談社選書メチエ<br> 事故の哲学 ソーシャル・アクシデントと技術倫理

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講談社選書メチエ
事故の哲学 ソーシャル・アクシデントと技術倫理

  • 著者名:齊藤了文【著】
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  • 講談社(2019/03発売)
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  • ISBN:9784065145241

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内容説明

ディープラーニングしたAIの判断の責任は、だれがとればよいのでしょうか?人工物が複雑化すればするほど、事故の因果関係は不明瞭になります。被害は存在しても、加害者を特定できなくなります。また、小さな過失が、巨大事故を引き起こす可能性もますます大きくなっています。人工物が第二の自然になり、事故が第二の天災となる時代に、倫理はどうあるべきなのでしょうか。現在進行中の問題に深く切り込みます。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

kaizen@名古屋de朝活読書会

26
感想歌 事故にはね哲学いらない対処のみ現実解決してからかこう FTA, FMEA, HAZOPもなくてどうする事故調査しよ 天災はほとんど人災想定外洗い出すのが工学の仕事2019/07/24

氷柱

5
1005作目。8月26日から。どこから道具でどこからが機械なのか。そしてその事故の発生時は誰が責任を取るべきなのか。法整備が全てをカバーしきれていないことや、倫理観の問題まで幅広く取り上げられている。製品を扱う立場としては片腹痛い事実から、心強く思う部分までまんべんなく述べられていて実に参考になった。技術が進めば進む程に社会的な責任というものはどんどん広域に展開して行く。2023/08/27

Mealla0v0

4
本書は事故を工学者・技術者の実践知を哲学的な思索に翻訳しながら検討する。人間が人工物をつくり出し、それが人間の営みに織り込まれた世界。事故はその人工物を介在として発生する。それゆえ、法的・社会的に制度化される。その意味で、これは「ソーシャル・アクシデント」と言うべきだろう。事故を個人に帰責するのではなく、人工物を製造した法人に帰する。だが、これは近代的な責任観念並びにその基礎たる近代的な自律的人間というモデルと齟齬を来す。むしろリスクが分配されるなかでコントロールが課題となるのだ。それが事故の現代性だ。2019/03/21

Humbaba

3
物事が複雑になればなるほど、完全な形を求めても不可能になる。勿論事故がないように目指すことは必要だが、多くのものが絡まって可能性が増えれば増えるほど全ての芽をつぶすことはできなくなっていく。どこまでを許容し、どこからを危険と見なすのか。それをしっかりと共有しておかないと、ただただコストを浪費して結果的には誰も幸せにならない可能性が高まってしまう。2024/07/26

まると

3
うーん、これは期待して読み始めたのですが、個人的には外れでした。複雑化した人工物は「第二の自然」状態になり、責任の所在も見えにくくなる、というのは確かにその通り。様々例を挙げて「なるほど」と思わせるところもなくはないが、学者特有の言葉遊びのような章が多く、全体にピンとこなかった。2019/05/09

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