内容説明
新型ウイルスの出現によって、日本中がパニックに――
ある日突然、同棲している恋人が高熱で意識不明の重体となり、
救急車で搬送される。彼に付き添い続けた悠希にも、魔の手がしのびより……。
観戦爆発が始まった原因不明の新型ウイルス「バベル」に、人間が立ち向かう術はあるのか?
日本政府はある対策を講じる決断をする。
近未来の日本を襲った緊迫のバイオクライシス・ノベル!
毎年インフルエンザの季節が到来するとマスクの人が増え、自分の周囲にインフル患者が出た途端に緊張感が高まりますが、この小説は、インフルどころではない最強のウィルスが日本国内に発生してしまうという、「もしかして、ひょっとしたらありえるんじゃないか」という危機感さえ感じさせる緊迫した内容となっています。
極小サイズだけど、人間を恐怖のどん底に陥れる「ウィルス」によって、日本は恐ろしい事態に陥ります。追い詰められた人々は、どのような手を打つのでしょうか? 読み始めたら、最後まで止まることができません。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミカママ
505
罹患すると人間の核となる言語を失うという新型脳炎が日本を席巻した。それ以前(ビフォー)とそれ以降(アフター)が交互に語られるため、慣れるまでに時間がかかったのと、いわゆる苦手な近未来SFなので戸惑いはあった。しかしながら、現在世界中を震撼させている新型肺炎を予測したかのような展開。感染者への対応、マスクの品切れなどなど。観て書いたかのような描写に引き込まれた。リケジョらしい、キレのある文章もいい。2020/04/06
TAKA
63
今真っ只中のコロナ禍にあってまさにタイムリーでした。ほとんど今の現状とよく似ていて感染症対策としては同じことなんだなあと思った。バベルという新型ウイルスは罹患すると言語障害がおきて、政府の隔離対策は感染症と非感染者を分ける政策であり、その裏で大層な計画が企てられていたという話。さて、どう戦うのか防ぐのか。いまいち物語に乗っていけなかったです。政府のやることはどっちも当てにはできないってことですかね。出来ればどう終息したかが知りたかった。2020/07/08
saga
50
コロナ禍のさなかに知った本。新型脳炎が日本で感染爆発を起こすというプロットが生々しい。新型脳炎に罹患した者は言葉を失う。だから通称バベル。なるほど、と思う。著者は理系出身なだけに、「言葉」に対する科学的な知見から本書を著したのではないだろうか。それが、ウイルス感染を基本としたパニック小説として実現したのではないか。2020/04/25
Junichi Yamaguchi
40
『灰になるまで』… 人の醜さが浮き彫りになるのは… その醜さに顔を顰めながらも、美しいと思う僕は変わり者なのかな⁈ 近い将来に起こり得る恐怖を感じると共に、避難地域という言葉が根付いてきた我が母国の将来を考えた。。2019/03/20
ゆう
36
ある日突然恋人が高熱、嘔吐、鼻と耳から血を出して意識不明になった。彼は新型ウイルス「バベル」に感染されていた。「バベル」に感染すると人は言葉を失う。なるほど、バベルの塔。手指の消毒、マスク着用、感染者と接触しない、これって今まさにの状況。政府の対策が大がかりですごい。そして総理のあの壊れっぷり。福田さんは割りと好きでちょこちょこ読んでる作家さんではある。この作品は2020年3月に文庫化発刊、こりゃ内容がタイムリーすぎてビックリだよ。2020/05/02
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