内容説明
鈴川有季(すずかわゆうき)は、職場体験に図書館を選んだ。一緒に実習する森田麻友(もりたまゆ)は、隣のクラスだが記憶にない。まして繊細で無口な女の子と話すきっかけなど考えつくはずもなかった。ところが、時代小説『さぶ』が二人の距離を近づけることに……。一方、年の離れた「友だち」である七曲(ななまがり)老人が引き籠もりになってしまう。彼の心の扉を開くため、有季はある本を届けるが――人と本を繋ぐ物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
☆よいこ
89
YA。『もってけ屋敷と僕の読書日記』の続編(完結巻かな)中高一貫校の中学3年生、鈴川有季(すずかわゆうき)は職場体験で公共図書館に行く。一緒に行くことになった森田麻友(もりたまゆ)は保健室登校で無口な女子だった。有季は、本屋敷に住み終活のために本を人に配ることに執念を燃やしている七曲(ななまがり)という友たちがいる。ある日有季は、七曲の潜む「本の自動販売機」に100円を入れ、七曲から逃げる麻友を目撃した。本をきっかけに、有季は麻友と打ち解けていく。▽2021/06/10
papako
76
シリーズ続けて。保健室登校の森田麻友と本を通じて知り合いになる有季。職業体験で図書館の仕事を知り、本の保存の難しさを知る。『廃棄』という言葉に過剰反応じゃないかしら。七曲さんの息子も登場して、七曲さんの過去を知る。果たして七曲さんに有季たちの声が届くのか?山本周五郎の『さぶ』読んでみたくなりました。すごく素直でまっすぐないい子有季、これは中学生向けの本ですね。2021/03/15
佐島楓
60
是非前作も併せて読んでいただきたい。著者の意図が深く理解できるはずだから。本との出会いはひとを変える。2019/03/15
hirune
54
中学生の男の子が主人公のお話にしては、内容が重たいです。そして紹介している本がシブいです😅なぜなら悩んでいるのが 還暦に届きそうな歳のおっさんで、それを中学生男子をはじめとして 関わった人たちで何とか助けようという 子どもが大人を救おうという逆転した話だから。。有季 頑張った!私なら七曲さんみたいな偏屈なじいさんに関わりたくないわ〜^^;「さがしもの」は読んでみたくなりました☆2019/07/16
ツン
41
最初はもっと軽い感じの子かと思った主人公がとてもいい子。麻友ちゃんが徐々に心を開いていく様子もいい。ただ、後半に出てきたお母さんのセリフに唐突な感じの話があってなぜ?と思って最後に背表紙の裏を見たら、前作があったんですね。。読みます。2021/02/14