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内容説明
野球ノンフィクションの傍流に身を置いてきた著者による、初の短編集。どの原稿も、雑誌の表紙を飾るメインの人へのインタビュー記事ではなく、その特集の最後に載っているような、でも、特集のテーマ性をもっとも色濃く出しているような、シウマイ弁当でいうならあの筍煮のような、そんな珠玉の作品たち。我々が愛した野球は試合とかデータとか、そういうグラウンドの中の出来事だけじゃなかった…ですよね?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
84
「止めたバットでツーベース」なんて滋味深いタイトル。そしてこの表紙の子の笑顔にやられます。期待通りの18章からなる野球短編集。スポーツライター村瀬秀信は選手だけでなくファンや応援する人たちの思いもよらぬつながりや熱い想いを言葉にできるライターだ。野球選手の球場外での生き様を感じさせる物語。80年代の乱闘が多かった野武士のような野球選手が懐かしい。大阪球場近辺でチャリこいでたドカベン香川を見たのを思い出す。160kmを投げる大谷もいいけど、130kgで盗塁を決める香川を懐かしく感じるのは齢だからでしょうね。2021/07/10
ちろたろう
24
ますます野球が好きになった一冊、全編良かった。プロ野球だ高校野球だ関係なく、ただ野球がすきなだけ。野球ファン嫌いの方でも、野球に関心を持てるきっかけになるかも。他球団、野球部ファンも好ましく思えてしまう。2019/07/04
吾亦紅
23
日本プロ野球を愛する者たちが主人公の、或いは、未完の大砲や亜細亜ボールが主役の、笑いと喜びと哀愁と愛情溢るる短編集。ファンは贔屓のチームがボロ負けしても、連敗を重ねて心が折れてしまっても、次のプレーボールを心待ちにする。一人の投手が一人の打者に一球を投じることから始まる競技だからこそ、観る者はそこにドラマを感じるし、自分の人生を重ね合わせる。今日は勝てるかな、先発はどこまで頑張ってくれるかな、打線は繋がるかなと思うのと、自分の人生のうまく行かないことへの逡巡のループは、日常茶飯事。2023/06/08
ライアン
17
野球エッセイ集。いきなり近藤唯之から始まるあたりに、かなりの濃度を感じる(笑)。選手だけでなく、お弁当屋さん、僧侶、プロレスラーなどいろんな立場の人の野球との話で面白かった。特に最後の著者の話が人間臭くて良いね。タイトルとこの表紙も好きです。2019/07/22
imagine
14
人生の悲哀を凝縮したかのようなタイトル、冒頭で語られる近藤唯之の実態、考えに考え抜かれた配列で登場する珠玉の作品群…。読み終えるのが惜しくなってしまった。題材の選り抜き方もさることながら、村瀬秀信は野球を描くとき、その奥にある、人の生き様、不条理、狂気といったものまでを照射する。本のタイトルが冠せられた最終章で、10歳の自分がとった行動から巡ってくる因果は、いかにも著者らしい。「野球は27人の死からできている」という名言を放つかと思えば「カジ」を用いた落語のようなサゲ。次作が待ち遠しい!2019/02/14




