内容説明
戦国ベンチャー織田家の軍団長(レガトゥス・レギオニス)で、最後に生き残るのは誰だ?
東海の覇者・今川義元、桶狭間に散る――。尾張を半ば手中にした織田信長は、三河の松平元康と誼を通じ、西に境を接する美濃・斎藤義龍との決戦に備えつつあった。戦意高まる家中にあって、柴田権六勝家は、微妙な立場にいた。信長と父の後継を争った弟の傅役だったため信用されず、功名を立てる機会すら与えらないのだ。焦る勝家とその家臣たち。彼らに再び、出世の機会は与えられるのか!?
武将たちの出世争いを描き、働くすべての人が共感必至の大好評戦国絵巻。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
如水
35
2巻は桶狭間戦後から信長上洛戦迄。主人公である勝家の花々しい戦歴は…ってあれ?!どうした?が感想。ただし、美濃攻略の際の助力、東美濃下向は内助の功と言える様な活躍を。この巻で更に浮き彫りになったのは新旧家臣入り乱れる織田家で何を懸命に成すのか?と言う所ですかねぇ~。本文の言葉を借りるので有れば「お主はいつまで下社の百姓達の頭でいるつもりだ」「彼らには守るべき家も知行もないからだろう」あくまでも革新的に画期的に進む織田家。勝家は織田家の序列を旧体制のまま引き上げる事が出来るのか?に注目したいと思います。2020/07/05
onasu
21
柴田勝家というより、小領主:下社の権六というのが馴染んでいる2巻目は、信長が桶狭間の戦いに勝利し、東への備えを固めて尾張を平定、美濃への侵攻を経て、畿内に進出するまで。 この期の権六は、一度は信長と矛を交えたことから遊軍的扱いで、美濃への侵攻でも武田方の押さえとして東美濃に派遣されるのみだが、武田方との談判は大きく評価され、畿内への進出では先鋒を命じられる。 この頃から織田家中の勢力図は塗り換えられ、その中間的立場から権六が重きをなしていく。こちらでは好漢たる権六をどう描いていくのか、続編が楽しみだ。2019/03/14
サケ太
17
柴田勝家の視点で見る織田信長、織田家の興隆(現在は)。常識人で、自分の価値を十分に理解していないながら役目をこなす勝家。しかし、ここでの林秀貞の懸念。将軍家を支える決意をしたからこそ、信長は己の在り方を変えていかねば成らなかった、というのが面白い。そこから生まれた歪みが徐々に出てくるのか。2019/02/01
Norico
9
名字、名前、略称、肩書きなどがややこしく、読んでて、「ん?これは誰だっけ??」となること多い。信長が何を目指しているのか、直属の若者と古参の武将の乖離が目に見える。2022/04/01
とっく~。
5
織田信長の家臣、柴田勝家が主人公。 一度信長と敵対してしまった勝家が主君の信頼を勝ち取るために奮闘する、シリーズ第2段。 戦国時代を舞台にした小説は数あれど、これだけ有名なのに柴田勝家が主人公の小説は意外に少ない気がする。 力攻めの猪武者のイメージで描かれることが多い勝家だが、この作品では、敵を調略したり、戦場でも退くべきところは退いたりと、知的で冷静な判断をする知将のイメージで描かれている。2019/10/23