内容説明
「今川仮名目録」を制定した氏親(うじちか)と関東を席巻した宗瑞(そうずい)(北条早雲)。甥と叔父という関係とそれぞれの立場を切り口に、戦国大名はいかなる社会的背景のもと生まれるのかを解く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
岡本正行
28
今川氏親、大河ドラマで桶狭間で討ち死にした今川義元の父、その母親が伊勢宗瑞の弟、北条早雲で有名、氏親が幼い間、補佐して今川を維持、拡大、その後独立して戦国大名となった、しかも今川との関係は維持していった。姉と甥を助け補佐し、駿河だけでなく遠江も今川の領国にする。伊豆に城を得て、関東と闘い、相模を支配下にして、独立する。関東武士には過去に栄光のある北条に名を変え、子孫が秀吉に敗れるまで、関東での戦国大名となり、後世まで、語り継がれる存在になった。私がこどもの頃、北条早雲といえば、道三や信玄と同じ梟雄だった。2023/04/25
鯖
21
「新九郎、奔る」の2巻も出たので併せて読む。今川氏親と伊勢宗瑞という甥と叔父、今川の幼い当主とその後見であり、後の北条家の当主早雲となる二人を追った本。今川や北条の外交方針についても詳しく書かれ、わかりやすい。しかし宗瑞の姉であり、氏親の母である北川殿の存在がともかくでかいなあと思った。彼女の先例がなかったならば、寿桂尼の存在もあそこまで大きくはならなかっただろうなあ。マジで今川と北条のゴッドマザーですわ…。しかし伊勢宗瑞という名で本が出るようになったのだとしみじみ感慨深い。2019/04/17
bapaksejahtera
19
戦国の梟雄北条早雲の誤伝に抗する本。室町幕府足利家の直臣として枢要な地位にあった名族伊勢氏の新九郎盛時が、嫁いだ姉の北川殿の懇請により、駿府今川家で後に氏親となる甥の後見として彼を守り立て、終生その立場を崩さなかった生涯を追う。彼は長くその身分的位置を京都から移さなかったが、応仁の乱後、分立する幕臣領地の経営困難から、中年に出家して本拠を東国に移す。宗瑞として伊豆・相模を攻略しつつ今川家御一家身分を貫く。戦国大名初の検地実施や印形形態での公文書発行など新たな統治を展開、加えて京都衰退後の文化継承者となる。2024/05/22
金監禾重
12
幼いころからマンガや小説で大器晩成の人物と刷り込まれた超有名人物が、24歳も年齢が修正される説を知った時は、驚いたものだ。本書によれば、従来「北条早雲」の魅力とされた低い身分からの上昇、大器晩成といったドラマは否定され、小鹿範満との抗争や小田原城奪取等は資料不足として詳しくは語られない。しかし伊勢宗瑞の、京都の幕府の意思を背景にしながらも東海・関東に足場を固めていく姿や、思っていたより粘り強く戦い続けた足利茶々丸なども魅力的だ。2019/05/15
さとうしん
12
こちらは戦国大名としての今川氏の始祖氏親と、北条氏の始祖伊勢宗瑞との関係を軸に、一体であった両者がそれぞれ東西への進出を目指す別個の大名として分立していくまでを描く。伊勢宗瑞の動向や北条氏の成立を知るには、彼が後見した今川氏親と今川氏の動向と切り離しては考えられないというのには同意。今川氏親が元服、結婚、任官と人生の重要なステップのすべてにおいて時期が遅れたという点に興味を覚える。一応著者なりの解釈は示されているが、今後の研究に期待したい。2019/05/03
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