内容説明
出版社に書き替えられた原稿、異常な語数削減…辞書制作者の証言を手がかりに、国語辞書の中に眠る驚くべき事実を明らかにする問題作。辞書をめぐる常識がくつがえる一冊。
目次
切り張り人生語り尽くし―花形辞書『広辞林』の戦後(金沢博士に冷たかった三省堂;「ジ苑」用の『辞海』は自滅 ほか)
裏『「広辞苑」物語』(岩波、編者の原稿に「ノー!」;“お雇い編者”に格落ちした新村博士 ほか)
九〇〇〇語の大リストラを行なった辞書(辞書最大の目玉は語数;マル秘の語数リストラ大作戦 ほか)
辞書の語数が語るトンデモ異聞(『日国』二版の用例は初版の半分!?;五〇万語から四五万語に下方修正 ほか)
国語改革熱が刻印された辞書たち(『コージ苑』によれば「鶯」「蝉」は正字?;ミステリアスな“『コージ苑』新字体” ほか)
著者等紹介
石山茂利夫[イシヤマモリオ]
昭和18年生まれ。早稲田大学政経学部卒。昭和42年読売新聞社入社。浦和支局を振り出しに社会部記者、日曜版編集部次長、文化部次長、新聞監査委員会委員などをへて退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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還暦院erk
6
図書館本。苦労して読了。「字引」とはいっても、漢和辞典も含め辞書の表記における統一された「日本での正字」が無いってのが驚きだった。やはり字だって言葉だから、話し言葉ほどではなくても変わっていくのだし、表記の不統一やちゃんぽんもアリなのかも。本書をきっかけに、”一語引くごとに一円の広辞苑貯金”を再開した。辞書の「人間くささ」を知ることが出来た今回の読書。これからも、作り手の事情や思惑などを想像しつつ辞書に親しみたい。2018/06/30
イワトコナマズ
6
辞書作りの裏ばなしが書かれています。オックスフォードイングリッシュディクショナリーについて書かれた『博士と狂人』ほど、壮大でも劇的でもなかったです。ただその分現実的で細かい部分が書かれていました。2017/06/23
猫
1
国語辞典シリーズ(と言っていいのか?)の第三弾。辞書も出版物でお金を稼がなければいけないもので、それなのにものすごく労力がかかる…その裏で色々なことがあっても、おかしくはないわけですね。
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