内容説明
アメリカのスパイ小説「三重露出」を翻訳していると、作中に意外な人物が登場して、訳者の滝口を仰天させた。沢之内より子という日本娘で、滝口がよく知っている女性と同一人物らしい。しかも実在のより子は2年前、何者かに殺された。この小説は、その死の真相を告げているのではないか……。異色の設定で展開する、長篇ミステリーの名作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
MIRACLE
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作中作が事件と関わってくる、という異色の長編推理小説。日本を舞台にした米国のスパイ小説と、それを翻訳する主人公の知人の死の謎を解く、という2つの物語が交互に進行する。しかし、驚くべきことに、両者とも物語としてつまらない。いくら構成に凝っても、肝心の作品が退屈なのでは、意味がない。失敗作。2012/11/10
shibatay
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再読2010/08/22
慧
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★★
遊真
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翻訳家の日常と、翻訳家が訳している小説の二つのストーリーが同時に進行して行くのだが、作中作のスパイ小説のバカバカしさとかっこよさが同居したような雰囲気がおもしろい。逆に翻訳家の方のエピソードは地味な上に少々釈然としない部分もあって微妙。
まりも
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翻訳を生業とする滝口は仕事で請けたアメリカの新人作家の冒険活劇小説に登場する人物が珍しい名前の知人女性と同名であることに気づく。しかもその女性は2年前の殺人事件の被害者であり、事件はまだ未解決だ。この作者は何者なのか、2年前の事件と関係はあるのか、滝口は事件関係者に手紙を出し、あらためて当時の話を聞くが…という現実パートと、忍法を学ぶために日本にきたサムが主人公の作中作が交互に。忍術の師プロフェッサモモチが萌えキャラだった。モモチ自作の忍者道具がいい感じに効くシーンが好きでした。ミステリ部分は、うん…謎。2024/08/10