鬼会

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鬼会

  • 著者名:赤江瀑【著】
  • 価格 ¥605(本体¥550)
  • 講談社(2019/02発売)
  • 5/5はこどもの日!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~5/6)
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  • ISBN:9784061845770

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内容説明

高校のクラスメイトだった、女流作曲家・晃子の奇妙な死。その死にざまを聞かされたとき、僕は高校卒業を間近にした節分の夜を回想していた。男女合わせて6人の演劇部仲間で、鬼会の放埓な儀式を遊びに選んだのだ。あの夜、晃子を裸にして……。土俗的題材を、独特の美学で幻想世界に昇華させた、著者ならではの秀作集。鬼が出現した青春の一夜の妖しい美――鬼面をつけて戯れたあの夜の思い出が、女流作曲家の死に重なる!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

HANA

64
短編集。代表作諸篇のような美意識が凝ったような華麗な作品こそないが、人間の心の闇や性の深淵を覗き込むような作品が多くこれはこれで十分以上に楽しめた。誰も彼もが過去に捕らわれたり、自分の覗き込みたくない部分を無理矢理に覗かされ、破滅に絶望にひた走らされていくような。一番面白く読めたのは人獣婚姻譚の変形「夜叉の舌」、主人公が健康的な為、シンボルの異様さが一層はっきりする。他にもドッペルゲンガー的な「汐の雄身」や、蘇る過去がエロティックな「鬼会」などが実にいい。やはりどのような作品でも著者が色濃く出てるなあ。2018/05/11

藤月はな(灯れ松明の火)

28
「鬼会」は再読。「鬼」という人間でないものになったことから己の本来の性や淫蕩が開花した者達。魔が化現した刻に一度でも囚われた者は逃げたとしても魔が喰らい尽くす事を暗示させるラストに身震いと陶酔を覚えるしかない。「汐の雄身」は最も静かで怖いストーカー・ホラーとも言えるのではないだろうか。自分を殺した相棒と妻の情事を覗き見る小鰭小平次の幽霊を思わせる辰蔵の生霊と政国と身体を重ねる度に「自分」の意識が何者かによって乗っ取られて希薄になっていく恐怖からの助けを求める声。それが相俟ってとても恐ろしい。2016/11/22

青葉麒麟

16
何だろう?表紙からも判るんだけど、独特な雰囲気で尚且つエロかったです。露骨な描写はないけど、読んでる此方の想像を掻き立てるような感じが凄い。ちびっこには刺激が強すぎるかも。短編集だけど、どれも濃密でした。お腹一杯です。2015/12/02

skellig@topsy-turvy

15
淫靡で深い淵を思わせる情念のうねりが、流麗華麗に描かれている。熱帯魚を背景にした妖しい男女の話や、ふとした出来事から狂気へと傾いでいく女の話など、安定して面白かった。2013/04/11

YO)))

7
性的な意味でイヤらしい話が多かったな.赤江美学の発揮された佳作揃いだが,「もの凄い」と言えるような傑作(例えば「花夜叉殺し」「花曝れ首」「罪喰い」「金襴抄」…のような)には出会えず.秘めたる恋心が土地の因習と結びついて惨劇を引き起こす「嬥歌(かがい)の羽」,息子の縁談絡みの奇縁に幼時のトラウマティックな記憶を呼び覚まされ,やがて狂気の縁へと落ち込んでいく母を描いた「朝妻詣で」,熱帯魚の色彩と男女の肢体が妖しの幻灯を織りなす「アマゾンの春の魚」あたりが好み.2012/09/02

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