内容説明
この男、警視庁捜査一課の係長なのに、事件を解決する気、まったくなし！ 思いつきで部下をこき使い、暴言と居眠り三昧。それでいてなぜか検挙率100％の大べし見警部。下ネタ大好き、ブルドックのような容姿の「警視庁最悪の警部」が、“本格ミステリーのお約束”を薙ぎ倒し、踏み躙りながら難事件を次々解決!? 著者のミステリーへの愛と造詣に満ち溢れた抱腹絶倒の連作集！
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
geshi
36
本格ミステリーのネタを詰め込んで、しょうもないギャグと下ネタで引っ掻き回しつつも、本質的な客体化と批判をやっちゃってる、ミステリーマニアのためのお遊び。『図像学と変形ダイイング・メッセージ』はダイイング・メッセージものへの批判。エレガントな答えにこだわってしまうのがミステリー読みの性。『テトロドトキシン連続殺人事件』はどんどん可能性が拡散していく様が笑える。『青森キリストの墓殺人事件』はやり過ぎなほどのジャンル混合。ラストの畳み掛けはよくやるわ。2017/06/23
coco夏ko10角
35
本格ミステリーのお約束や定番を壊したり遊んだりｗ 読んでてめっさ楽しかった。2017/04/10
ヤジマ
33
主観点 8.3/10 久々のバカミス。極度のナルコレプシーにあるとんでも警官がなぜ警部という地位にあるのか。それは最後まで謎のままだったが、著者のミステリ愛が存分に詰まった作品だった。登場するや否やゴシック体でまとめる万渡目やなんでもミステリにこじつける江草など、主人公以外もほぼ変人。まともなのは海埜くらいか。なのにこの集団、検挙率100％。見事に珍事件しか担当してないという…。個人的には空室のトリックがお気に入り。こんなやついねえだろｗと思う一方、著者の発想力に脱帽する。純粋に面白かった。2021/06/26
ばりぼー
33
「本格ミステリーのお約束を薙ぎ倒し、踏み躙りながら難事件を次々解決⁉︎」という惹句に、東野圭吾の天下一大五郎を連想し期待が高まりましたが、ギャグの打率は２割５分程度というところでしょうか（笑）。「後期クイーン問題。僕知ってますよ！フレディ・マーキュリーがエイズで死んで、ジョン・ディーコンが引退した後のクイーンを、黄金期のクイーンと果たして同じ名称で呼んで良いのだろうかという問題ですよね！」後は推して知るべし。「大癋見警部」という名前だけでなく、「羸弱」「風丰」「秘鑰」など難読漢字の勉強になりました（笑）。2018/12/03
燃えつきた棒
27
立方体のような上半身、だらしない頬、弛んだ顎、太いゲジゲジ眉、ぎょろ目。 事件を解決する気などまったく無し。思い付きで部下をこき使い、暴言と居眠り三昧。 どうやら大癋見警部のキャラクターにハマってしまったようだ。 以前、海外ドラマ「心理探偵フィッツ」にも惚れ込んだことがあるが、僕は、どうやら自分と同じ体型の持ち主に強い親近感を持ってしまうようだ。 僕のお腹の脂肪が最も激しく振動したのは、「図像学と変形タイイング・メッセージ」、「テトロドトキシン連続毒殺事件」、「監察の神様かく語りき」あたりだ。 2019/03/20
