内容説明
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歌川国貞(3代豊国)の代表作「江戸名所百人美女」。100の名所を背景に100人の美女が描かれた、揃い物の浮世絵です。日々の生活を営む江戸時代の女性が生き生きと描かれています。それはまるで、国貞が実際に見聞きした女性──実在の人物のように、その人生が浮かび上がって見えるのです。本書は「江戸名所百人美女」を絵解きして、当時の女性の風俗習慣を探ります。隠れて恋文を書く娘、男気溢れる芸者、逢引きを楽しむ奥女中など、さまざまな女性が登場。なかには、意外な一面を持つ美女も……。テレビドラマなどの時代考証家である著者が、わかりやすくかつ楽しく、国貞の目が捉えた江戸の暮らしを紹介します。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
美登利
70
浮世絵に特に興味があるわけでは無いのですが、綺麗な表紙絵が目にとまり借りてみました。著者は時代考証家の山田さん。ドラマなどの時代考証もされているそうです。美しく再現された絵は彩りが素晴らしく、細かいので見ているのは楽しいです。そこに解説された江戸時代の美女たちの生活が垣間見えます。私からみると女性は若い(12才)人から年増とされている人まで顔の変化があまり無いように思えてしまいますが、眉、お歯黒、髷の結い方、着物などで年齢と未婚、子持ちなどが見分けられると知りました。文字が小さいので目が疲れました(笑)2016/05/29
nizimasu
8
ここまで完全に江戸時代の浮世絵を解説した本はないかもしれない。出典は3代目歌川豊国という人が書いた「江戸名所百人美女」だ。これを時代考証の専門家が見事な解説するのがこの本。場所にモデルまでもわかるし様々な衣装や飾りなどからその人がどういう背景があるのかもたどっていく。西洋美術のアトリビュートではないがある種のサインを本から読み取れてビジュアルも見事。編集力の勝利2016/03/07
Yoko Kakutani 角谷洋子/K
3
豊国の美人画から描かれた美女の背景、エピソードを細部に渡って読みとる山田順子さんの知識の広さが素晴らしい。江戸の地理も完璧に頭に入っているようで、江戸時代にタイムスリップしたことあるんですか? と問いたくなる素晴らしいお仕事ぶりでした。時代小説、時代劇ドラマ好きな人にもおすすめです。2023/04/09
bluemint
3
図書館で借りたのは、この中の一枚の浮世絵を持っているから。着物・化粧・帯・アクセサリーなどでこの女性がどんな生活を送っているのか細かい解説がある。また、何の為かよく分からないコマ絵についても、実に詳しく絵解きをしてくれる。冒頭の、娘から花魁までの服装の違いの解説も親切。2017/07/13
むさみか
2
華やかな娘時代から 働く世代まで 庶民から旗本の姫までの 美女100人が圧巻です そして 絵の美女とコマ絵の場所が 上手にリンクされていて 見る人が見る 知ってる人が見ると なお面白いという 粋な趣向でした2017/06/11