謎深き庭 龍安寺石庭 十五の石をめぐる五十五の推理

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謎深き庭 龍安寺石庭 十五の石をめぐる五十五の推理

  • 著者名:細野透【著】
  • 価格 ¥1,584(本体¥1,440)
  • 淡交社(2019/02発売)
  • ポイント 14pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784473039873

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内容説明

世界遺産、京都の龍安寺に枯山水の名園がある。その名は石庭。十五の石が何を基準にしてレイアウトされ、また何をテーマにしたのか分からないため、「謎の庭」「推理の庭」「ミステリアスな庭」とも呼ばれる。数百年もの間、多くの識者がいろいろな推理を提唱してきた。虎の子渡し、七五三、満月、星座カシオペヤ、朱山五陵、扇、心の字、京都五山、楽譜、豊臣秀吉石狩り、黄金比、遠近法……。このうち最も有名なのは「虎の子渡し」だが、十五の石と四匹の虎(親・彪・子・子)がどんな関係にあるのか誰も説明できないため、それ自体が「日本の謎」と見なされてきた。けれども、問題を次のように書き替えることで、この難問がついに解き明かされた──。「虎の子渡しと呼ばれるからには、四匹の虎(=四つの石)は実際に川(=白砂)を渡ったに違いない。そもそも、川を渡る以前、十五の石はどのように配置されていたのか?」。このように「虎の子渡し」を一種の暗号と仮定して推理を進めると、その背後から「龍と虎」が一対になった壮大な庭が姿を現したのである。それと同時に、長年にわたって庭園・建築・デザイン関係者を悩ませてきた、「秘密のレイアウト」もようやく解明された。謎解きの道具になったのは、清少納言の名と結びついた「智恵の板」と、当時使われていたL字型の曲尺である。十五の石は、八つの曲尺三角形でつくられる「龍安寺智恵の板」に従って、レイアウトされていた。本書は新旧「五十五の推理」を集大成して、石庭の核心に迫った。なぜ五十五なのか。それは、「十五の石」と「五十五の推理」を組み合わせることによって、宇宙全体を表現できるからである。石庭の作者の鋭く激しく熱い知性は、現代知識人の水準を遙かに抜いていた。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

yyrn

23
龍安寺をずっと「りゅうあんじ」だと思っていた程度の人間がコメントするのもおこがましいが、こだわる話は何でも面白い。あの有名な石庭の「五群十五石」が意味するものは何か?一次資料が残されていないので様々な説がこれまでに語られてきたと言い、有名な「虎の子渡し」とか「七五三」などだけではなく、本書ではなんと55の説を取り上げて、中国古典や禅宗絡みの故事来歴を駆使して作者は大胆に解説・採点を進めていく。中にはソレこじつけだよねと言いたくなるような説もあったが、解説は総じて納得できる(と思える)理屈が用意されており⇒2022/02/10

Norico

12
恩田陸さんのエッセイで気になって手に取りました。龍安寺の石庭、虎の子渡し説、黄金比説は知ってたけど、ずいぶん色んな説があるんだなぁ。こじつければなんでもこじつけられるというのがよく分かる。難しくてよく分からないのも多数だけど、自説も含め沢山の説を採点するのが面白い。2021/01/14

はなもんも

3
立てようと思えばどんな新説でも立てられるんだなと感心した。あまつさえ自説、他説の採点までしちゃうんだからすごい。タイトルが長過ぎるのも困りものだ。禅の公案のように答えはあってないようなものかも知れない。はじめから謎なんてないのかもしれないし、謎がなければ答えもないのは当然のことで、長い年月をかけてああでも、ないこうでもない、もうちょっと右、もうちょっと後ろって動かして心地良い配置になったという結果だったら面白い。2015/12/11

呑司 ゛クリケット“苅岡

2
建築家の著者が、龍安寺に55の謎解きをしていることで龍安寺の存在が興味深く読める。歴史の謎は何処から持って来たの?と思うようなモノも多いが、この著作を面白くしているのは、物語分析法と美学発見法の評点を各説ごとに付けていること。著者の博識と龍安寺への愛情を感じる。是非行ってみたいと思った。2022/03/25

ととむ

1
その業界では有名なんだ…まあいったもんがちなところはある2024/05/26

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