内容説明
会社に雇われ,働いてその報酬で生活を営む──こうした働き方が当たり前のことになったのは昔のことではない。ICTの展開で雇用の枠外の働き方が現実になりつつある今,日本の雇用を概説することで,このメカニズムがいかに確立し実現され,変容しつつあるかを示す。
目次
序論 制度としての雇用
第1部 理論的枠組み
第1章 雇用制度の理論
第2部 諸制度
第2章 賃金制度──年功賃金制度
第3章 雇用調整制度──希望退職制度を中心に
第4章 採用制度──新卒一括採用制度
第5章 退職制度──定年制度
第6章 非正規雇用
第7章 女性雇用
第8章 小括
第3部 関連領域
第9章 雇用政策
第10章 労使関係
総括に代えて 雇用の近未来
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yanagihara hiroki
1
雇用のあり方に「べき論」で迫るのではなく、制度に内在する社会科学的事実や力学を剔出しようとする本である。直接には見えない事実に対して、客観性を目指して積み上げていくアプローチを通じてだからこそ、日本の雇用システムにおける女性雇用や非正規雇用に対する合理性のない差別への告発が大きな説得力を持つ。一般にこうしたアプローチは既存の制度の内在的論理や力学を描写すれば、どうしても既存の制度の正当性や合理性を強調する結論になりかねないと思うからこそ、著者の知的誠実さ故の説得力ある問題提起に社会科学の力を感じる本だ。2021/11/11
contradiction29
0
「日本における雇用システムが機能するメカニズムや条件を究明」することが本書の目的。請負制度を対極に置いた「雇用制度」の原点を「経営側の意に沿う労働供給の保持=リテンション」と設定し、その目的を「経営側が労働供給のリテンションを前提に、労働内容の特定性と不確実性を低めていくこと」にあるとし、手段として生活維持機能、コミットメント実現機能、雇用―非雇用の不連続性への対応機能の三つを設定し、雇用制度全体を描いていく。女性雇用と非正規雇用のところが一番面白かった。日本的雇用システムの枠から排除された存在2021/03/02
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