内容説明
AIに監視、格付けされ、生活で不利を受ける──そんな社会はすでに現実のものとなっている。就職採用のAI選考、AIによる犯罪予測、さらには軍事ロボット、政治世論の操作まで。便利さの裏側に潜む危険を現実に起きたAIの事件から暴き出す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
大阪魂
33
AIってこわいっちゅうけど、ほんま使い方によっては核兵器くらいに怖いねんなあ…AIに入力した情報次第では、顔認証でテロリスト認定されてしもたり、信用スコアで性別・人種とかで差別されてしもたり…自動運転とかでもAIが絶対かっちゅうたら事故で亡くなられた人もいてるし、選挙対策もAI使うことで有利に運べるしって、ほんま怖くなる話ばっかり…結局は人がどうAI使うかってことになってしまうねんけど、そこっていろんな利害が渦巻く中でどこまで制御できるんやら…AIがこんなもんやってちゃんと理解してつきあうしかないんかな…2019/10/02
hk
27
『我々はバックミラー越しに現代を見ている。我々は未来に向かって後ろ向きに行進している』 本書で引用されているAI社会を形容したフレーズ。言い得て妙だ。現下流行っているAIはパターン認識型であり、過去の人類の行動をなぞるよう人々を誘導する。そこから外れた選択肢は選べない。だからAI社会とは「未来に向かって後ろ向きに行進」している訳だ。AI社会とは革新的だと思われがちだが、実は筋金入りの守旧となる。さてバックミラーに映っている世界はどうやら悪のようだ。それは人類の本性が悪だということの写し鏡なのではなかろうか2019/06/20
たー
16
個人的には単なる「高度な統計処理」をAI(人工知能)などという名前で呼んでいることが問題では?と思う。手法を知れば万能でないこともバイアスがかかりうることも自明のこと。過信せずに使えるところを上手く使っていくのが大事。2019/06/22
ふたば
12
人はAIを制御できるか。 人の生活がAIを悪用する者たちによって脅かされている実例を多く提示して、警鐘を鳴らす内容。いつ何時、冤罪をかけられないとも限らず、性的嫌がらせの対象とならないとも限らない。差別の対象となっているかもしれない。様々データを知らず知らずのうちに提供することで、自分という存在が丸裸にされ、剰え監視されていることに気付く事さえできない現状。個人情報だからと、学校にさえ住所や電話番号の提供を拒むのに、ネット上ですべてを暴露することには躊躇しない。こんな怖いことがあっていいものだろうか。2019/03/02
スプリント
11
過激な帯に惹かれて手にとりました。 将来、SFに書かれているようなAIに従って国政を進める独裁者が登場したりするのでしょうか。 内容はいたって真面目でした。2019/06/16
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- 和書
- 王様はロックンローラー