内容説明
その昔、金精神の祠があったという断崖。一愛読者からの手紙が縁で、断崖の上下に住むことになった閨秀詩人・日折真船と画家・流子の姉妹。二人はともに妖精をモチーフに名を成した。妖精にまつわる遠い過去の記憶を秘めて……という表題作のほかに、「女形の橋」など艶にして妖、情念の襞にせまる珠玉の6編も収録した、伝奇ロマンの傑作小説集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
skellig@topsy-turvy
9
目次に並ぶ題名群から既にわくわく。“罪喰い”と世阿弥をモチーフにした「女形の橋」、快楽を与え与えられることを忌む青年を描く「耀い川」、妖精が棲むと言われた崖を終の住み処にする芸術家姉妹を描く表題作など妖しい赤江節全開。2013/04/28
桃柳
3
あぁ、面白かった。 赤江氏の作品は、内容はもちろんのこと、もしかしたらそれ以上に長編・短編問わずタイトルが素敵。 読む前にそのタイトルだけでどんな内容なのか、考えるのも楽しい。 そして読んでいる間は、今は夜なのだけれど、白昼の真っ白い光の中にいるような気がする。内容は、帯にもあるように艶や妖が全面に出ているけど、それも読み終えると白昼夢の幻で見たような、白く朧げな読後感を覚える。 これからも、コツコツと集めて、チビチビと大切に読みたい。2022/05/27
なずき
2
Kindleのセールで。黒馬の翼に乗りて、伝書鳩のやりとりが行き違う先が予想できた展開なんだけど萌え。棺の都、の綺麗だけじゃない人を飲み込む街としての魔性さがいい。赤江作品を読むと無性に行ったことがない京都行きたくなって、でもこういう暗い絢爛さがある街を頭でイメージしていって現物を見た時にその妄想を越えられるのかと思うとまあこのまま行かなくてもいいかなってなる2021/01/07
かがみん
0
「初春の梅より秋の菊の花の咲き果つるまで、一日中の花の種を持ちたらんが如し。いづれの花となりとも、人の望み、時によりて、取り出だすべし。巌に花の咲かんが如し」巌の花、これが赤江氏の美学の一節理である。それは青苔におおわれた巌に降りかかる淡雪である。そして又、昧爽の野に、桔梗色の天より舞い下りてくる麗しい幻の花でもある。「目に見えぬなにものかを鎮めるため。目に見えぬなにものかを昂らせるため。」2013/08/10
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