内容説明
国民からの視点で「あの時代とは何だったのか」、自身の体験も盛り込んで昭和戦前史を詳細に綴った大作、待望のライブラリー化。巻末に澤地久枝氏との対談「“B面”で語る昭和史」を付す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
へくとぱすかる
64
「B面」とは言うが、市民の日常目線から見た、まさに生きた昭和戦前史。政府や軍がどんなにか民衆を(半藤さんは「民草」と書く)ひどい目に遭わせてきたかが、圧倒的なリアルさでわかる。なにしろ半藤さん一家の自分史でもあるのだから。全体の半分ほどで、昭和16年になるので、いかに太平洋戦争の時期が密度の濃い歴史であるかがわかる。今の日本が昭和13~14年ころとよく似ているとの指摘は、こわいほど的確。不幸な時代が再来しないことを祈りたい。人の命ほど大切なものはないのだ。2019/03/25
ころこ
46
A面とは日本史として普通に流通している政治史のことで間違いはない。しかしB面とは文化史のことだと思って読んだが、単純なものではないらしいことが分かる。B面とは表の政治に影響を与えた世の中の雰囲気のことで、本書でもA面としきりに往還しているのは、今この場で起こっていることのように戦前の息遣いも伝えようとする仕掛けのことだ。隅田川に掛かる六大橋、言問、駒形、蔵前、清洲、永代、相生の各橋は帝都復興の大事業として建設され、その背後には震災の時に橋が無いために逃げ遅れて多数の死者が出たことの反省と、ワシントン海軍軍2024/12/06
ケイトKATE
23
『昭和史』、『昭和史戦後篇』に続く、半藤一利昭和史シリーズ第三弾。前二作が昭和史のガイドブックのような存在だったが、『B面昭和史』は庶民と半藤一利少年の視点から昭和が語られている。半藤一利は、庶民を”民草”と書いているが、これは庶民が時代を流れるままに乗って、戦争に巻き込まれてしまったことへの戒めとして書いている。本書を読むと、昭和の出来事が決して過去のものではなく、現代にも似たような現象が起きていることを半藤一利は警告している。『B面昭和史』は、個人的に半藤一利の代表作として挙げたい一冊である。2024/08/26
ossan12345
15
満洲国設立から日中戦争、太平洋戦争へと狂奔する日本を民草の視点から分析する。誰も戦争なんて望んでいなかったのに、貧困と先行き不安のなか軍部が突き進んだ、などという単純な理由で、我が国が過ちを犯したのでは決してない。再びこの轍を踏む可能性、大日本帝國的な何かは、今の我々にも確実に埋伏していることを意識したいと思いました。コロナ禍ではそれを痛感しました。2024/02/12
fseigojp
15
B面でないと語れないこともある2022/11/15
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