内容説明
1910年から1945年まで、帝国日本の植民地となった朝鮮。その統治は、政治的には弾圧、経済的には搾取・貧困化という言葉で語られてきた。日本による統治に多くの問題があったことは確かである。だが、それは果たして「収奪」一色だったのか。その後の韓国の発展、北朝鮮の社会主義による国家建設と繋がりはないのか――。本書は、論点を経済に絞り、実証主義に徹し、日本統治時代の朝鮮の実態と変容を描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
skunk_c
38
岩波新書の山辺健太郎著と同タイトルを付けたのにはやはり意図があったようだ。著者は山辺氏を共産主義者と断じ、その著作は名著と呼ばれるが初めに結論ありきで問題が多いとし、実証的な本書を上梓したことがうかがえる。しかしその意気込みが時として行きすぎている気がした。それが表れているのが土地調査事業の評価で、これを通じた東洋拓殖などの土地収奪が多いという説は誤りとしているが、これは「多い」に対する部分否定のはず。ところがその後に続く東拓の土地取得は、購入としか書いていない。総督府による収奪と払い下げはなかったのか?2018/10/23
Tomoichi
26
イデオロギーという色眼鏡でしか語られてこなかった日本統治下の朝鮮を統計と実証研究により読み解く真っ当な作品。やっとこういう本に出会えたと感じる一冊で善悪もなく数字で分析されているのは本当に気持ちいい。所々で共産主義者や反日教韓国人の言説を批判しているのもいい。日本が残した遺産がどう南北朝鮮に影響を与えたかも面白かった。韓国人は読まないし発狂するだけだので在日朝鮮人や老コミュニストに読ませたい本です。2018/08/23
HMax
23
韓国では発禁確実な内容、「イデオロギーを排し、実証主義に徹した朝鮮論」。反日・嫌韓に根差した朝鮮植民地時代についての論評が多い中、地道な資料調査に基づいた検証によって「朝鮮を比較的低コストで治安維持に成功するとともに経済発展を促進した」と結論。例えば、1911年当時の租税負担率は朝鮮が一番軽い(朝鮮4%、台湾10%、日本13%)。逆に低い教育水準(1912年の児童数14万人、就学率:女子0%、男子7-9%、日本1873年:女子15%、男子40%)が1930年末には100万人を超えた。2018/07/28
かごむし
22
1910年の日韓併合から1945年の終戦にいたるまでの朝鮮の姿を経済を切り口にして論じた本。あとがきに「歴史家ではなく、開発経済研究者が書いた」とわざわざ断っているように、当時の日韓関係に対する総括的な評価は全く含まない。日韓併合から日中戦争開戦まで、そして異常な戦時中の経済状況の推移について、客観的なデータを提示し、その見方を説明するものである。正しい歴史の評価の土台にはこのようなデータが必ずあるべきで、そういうものに基づかない評価は、思想やイデオロギーにとらわれた妄説に過ぎないのだろうと感じた。良書。2020/09/02
Porco
21
経済統計をずらずらと紹介している感があって、楽しい読み物とはいきませんが、右も左も適当なことを言っている人はいるんだなあ、と気付けました。2019/12/25
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