内容説明
「誰かに認められたいなら、もっと全力でやって」東山路代はマネジメントを担当するモデルの咲子に不満を抱いていた。今日こそは言う。そう決意した矢先、収録現場に遅刻し、咲子を怒らせてしまう。憧れのバンド7BOYSの傍で働くために上京して早四年、夢見ていた場所は遠すぎる――。スタイリスト、女子アナ、アイドル。華美な世界に生きながら決して特別ではない女性たちを描く作品集。(解説・山本文緒)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
野のこ
64
押切もえさんの短編集。独立した話だけど別の短編で登場した人たちのその後の輝きが伺えるところが良かったです。アイドルやマネージャー、スタイリストといった華やかなイメージの仕事から普通の女性まで、思うようにいかない現実の日々、そして友人や家族や仕事相手に向かい合って互いにぶつけ合って弱さと強さに気づく。ラストは美味しいひと粒のチョコレートを味わったようにじんわりと心がほぐれるような読み味。特に「受容」と言う言葉が印象に残りました。一つ一つのタイトルも素敵だし、装丁も好み。路代さん 桜色の鞄がよく似合ってる♪ 2018/10/04
*
13
【「あなたが信じてきた愛が今のあなたを作っているんでしょう」(P.293)】生きているだけで、甘くて苦い時間は過ぎる。永遠という言葉に酔ったとしても、生ききれるのは一日ずつなのだ▼「違うの。なんて言うか、もったいないって。せっかく、ここまでやってきたのに。私には何もないから、乗り越えてほしいなって思っちゃったの」(P.224)→こういう、卑下と妬みと背負わせの詰まったクソバイス、自分もやってしまいがちです...反面教師!2020/11/01
きいろいとり部長
8
登場人物がモデル業界の方々なのはわかりますが、「抱擁とハンカチーフ」は画家が主人公なお話。景色から動作などを表現する言葉など優れていて押切もえさんがどんな人なのかも気になるし、もっとその作品を読んでみたくなった。2021/04/16
yamakujira
1
モデルのマネージャー、独立したスタイリスト、売れない画家、お気楽なOL、恋するギタリスト、アイドルグループを馘になった女子高生、主人公の違う6編の物語は登場人物が交錯した連作になって、それぞれに未来へ踏み出すラストが好ましいけれど、どうも視野が狭い女性ばかりで切なくなる。そもそもモデルとかマネージャーとかスタイリストとかきらびやかな世界に興味がないし、絵画の価値もわからないし、音楽やアイドルも必要と思えないから、共感も同情も応援もできない。精神的にその日暮らしのミワも好きになれないし。 (★★★☆☆)2020/05/02
sau
1
読み終わってから必ず読み返したくなる!っていうちょっとオーバーな帯はあったものの、細やかな伏線が散りばめられてあり再読した時はまた違った趣向で読めるのは面白い。 作者自身、モデル、タレント、画家などたくさんの面を持ってるからこそ情景描写もものすごくリアリティで読みながらすごく画が浮かぶ。山本文緒さんの解説も良い。 2019/12/172019/12/17
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