内容説明
白い家、パティオ、咲き乱れる花に注ぐ熱い陽光――スペイン南部アンダルシアに魅せられ、踊り手をめざした日本青年は、恋人すら捨てて旅立つ。そして数年後、恋人になり代った女性が、青年のあとを追ってスペインへ。彼女が見た美しい風景と酷薄な現実とは? 異国の魔力に翻弄された若い魂を描く表題作のほか、独得の妖美譚を4作収録。妖美と幻想があやなす独特の青春小説集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
冬見
13
アンダルシアへ消えた思い人を追う女(「アンダルシア幻花祭」)、殺したい男から逃げ夜の街に暮らす男(「刀花の鏡」)、呪いを背負い首を吊った同級生(「五月の鎧」)、姉の死に帰郷し音楽室に現在の出発点を見た男(「音楽室の岬」)、修羅絵に狂わされた男たち(「獣心譜」)……小さな箱庭の中で窒息してゆくような5編。「刀花の鏡」が特に好き。最後の場面なんて、なかなかゾッとする。「夜の藤十郎」の雰囲気を感じた。2018/03/25
さくらこ
10
赤江瀑2作目。どの作品も脳裏に鮮やかな映像が浮かんでくる。表題作「アンダルシア幻花祭」、青い空、黄色い太陽・・・中山可穂の『マラケシュ心中』を思い出しながら読みました。2013/02/27
かがみん
0
他界の消息は、砂浜へ打ち上げられた漂着物から知ることができると言う。ガラス壜に封入された恋文、奇怪な深海魚、溺死した女の黒髪のような若布、馬券の切れ端、ヘッセ詩集、そして椰子の実……。2013/09/14
ジジ
0
白く灼ける太陽、しんしんとまい落ちるわた雪、さやさやと青く吹き渡る葉ずれの音。。美しい景色が目の奥に広がるような感覚。酔わせてくれますな。しかし最近立て続けに読みすぎてちと食傷ぎみかも^^;2010/11/08
丰
0
Y-202007/01/24
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