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内容説明
“お金”とは何か。
私たちの財布に入っているお金には、100円、1000円、10000円などの価値がつけられています。
しかしよく考えてみると、ただの金属、紙切れにすぎないものをなぜ高価だと「信じている」のでしょうか。
貨幣や紙幣に込められた絶大な影響力――。
その謎を解く手がかりは、人類と会計の歴史のなかにあります。
先人たちの歩みを「損得」という視点で紐解きながら、「マネーの本質を知る旅」に出かけましょう。
くらしの経済メディアMONEY PLUSの大人気連載「簿記の歴史物語」待望の書籍化!!
【第1章】 偉人とお金の意外な関係
シャーロック・ホームズの“金銭感覚”/投資家として大成功したダーウィンの“目利き” ほか
【第2章】 なぜ「文字」よりも先に「簿記」が生まれたのか?
最初の簿記はメソポタミアの「駒」/ヨーロッパで起きた数字のイノベーション ほか
【第3章】 一国の運命をも翻弄する会計の力
球根1個で家が建つ!? オランダのチューリップ・バブル/フランス革命の引き金となる1冊の暴露本『国王への会計報告』 ほか
【第4章】 産業革命。そして、簿記から会計へ
産業革命は、なぜイギリスだったのか?/鉄道が生んだ公認会計士 ほか
【第5章】 これからの「おカネ」の話をしよう
財務省が消費税を上げたがるワケ/ビットコインが問いかけるマネーの本質 ほか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えちぜんや よーた
86
「産業革命の萌芽はヨーロッパの人口を3分の2にしたペストから始まった」・「人材を安価に利用することは経済成長につながらない」・「安価な労働力は機械への代替を阻害する」。誰かが同じような主張をしていたなぁとぼんやり思っていたら、その誰かとはデービッド・アトキンソンさんだった。ちゃんと歴史を勉強をするなどして、見るべきことを見ている人はみんな同じことを主張すると感じた。自分は乱読をするタイプなので、異なる立場の人が同じ意見を述べている箇所を読むと、記憶がより確かなものになる。2019/04/17
いちろく
34
紹介していただいた本。簿記をテーマにしたノンフィクションモノ。タイトルの“なぜ「文字」より先に「簿記」が生まれたか”に偽りなし。小説を読む感覚でページを捲れるぐらい柔らかい文章で書かれているので、簿記に詳しくない私にも飽きずに最後まで読了できた。また、日本の簿記の歴史にも触れられており、これから先は江戸商人を舞台にした歴史小説や時代小説の見方も変わりそう。巻末の参考文献も圧巻でした。最後に、著者は本当に会計が好きなんだな~、と伝わる内容。2019/07/29
こも 零細企業営業
31
ほんと、1400年から今、簿記会計に関しては基礎は同じで左右に分けて記入するのは全く変わっていない。でも色々な紆余曲折があって今のような経済になってもいる。それが今後どう変わって行くのか、、、興味深いが生き残る事が出来るかはわからない。2020/12/16
月をみるもの
21
会計というか資本主義の歴史という感じだったが、それってよく考えると会計こそが資本主義の本質ってことなのか。。貨幣の本質は「譲渡可能な信頼」であって、時間的なラグを持つ貸し借りの関係が、当事者間だけでなく社会全体に広がっていくところにある。 そして、その広がりを担保するのは貨幣でも債権でも宝石でもなく会計〜複式簿記であるという壮大なお話。 商業高校に行ってた人には常識なのかもしれないが、自分にとっては目から鱗がおちた感じだった。 聖書も、「はじめに(言葉ではなく)『簿記』があった」と書くべきだったのだ。2023/06/09
かも
19
★★★☆☆会計の進化と歴史上の出来事をリンクさせた面白い内容。小ネタをはさみながらなので脇道に外れることが多く、断片的な知識を寄せ集めた感があるのが残念。しかし会計とか財務とかよく分からない人(自分の資産をBSで考えられない人)には、お金の新しい側面を見せてくれる良著だと思う。とっかかりは本書で、次に「会計の世界史」あたりが良いか。2021/07/24