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内容説明
戦国時代には英雄、豪傑がキラ星のごとく現れ様々な物語の主人公になっているが、歴史に名を残したのはほんの一握りのスーパースターにすぎない。信長・秀吉・家康の活躍の影には、敗れ去った多くの武将たちがいた――。戦国初の天下人を目指した三好長慶。琵琶湖を押さえ栄華を極めた浅井長政。ローマ法王に使節団を送った蒲生氏郷等々……。規格外の変革者・信長と彼らを分けたものは何だったのか。丹念な現地取材を経て直木賞作家が辿り着いた、下克上の世を生き抜いた戦国武将たちの束の間の栄光と挫折の生涯。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
165
安部 龍太郎は、新作中心に読んでいる作家です。著者の小説は結構読んでいますが、歴史エッセィは、初読です。どのエッセィも1本の作品になりそうな興味深い内容でした。女優の黒木 瞳 http://www.kurokihitomi.net/ が、美女の産地?福岡県八女市黒木町出身で、黒木氏の姫の末裔だとは知りませんでした。 著者のオフィシャルサイトは、充実しています。 https://aberyutarou.com/2019/03/17
yoshida
113
標題と内容は若干異なる。流通、経済及び中央集権の視点から読み解く戦国史と言った内容。河川及び海運。この流れが経済を動かしていた。そこに着目し展開する。織田信長が朝倉義景を討伐したかった理由は敦賀を押さえ、琵琶湖から畿内に至る経済の利権を握ることにある。浅井長政が信長を裏切ったことは、琵琶湖の水運を奪われることを危惧したため。三好長慶の強さは堺と西国への海運を押さえていたことが源泉。信長は津島湊で過ごした為、海運と水運の重要性を認識していた。他にも蒲生氏郷と伊達政宗、豊家の暗闘も興味深い。好みの作品だった。2020/05/28
旅するランナー
110
直木賞作家による戦国武将エピソード集。舞台となった土地を訪れ、直に見て聞いて感じた知識や感情を織り込んでいる。交易・海運・鉱山などを牛耳ることから生まれる経済力が実はものをいい、戦いの要因になっている。島津勢を退却させ、秀吉の九州征伐をお膳立てした、筑前の立花宗茂。伊達政宗と互角以上に争い、ローマ法王に使節団を送った、会津の蒲生氏郷。織田家の重臣、木造具康など、初めて知る名将も多い。少し散漫な感じもするが、戦国時代ファンは十分楽しめます。2019/07/17
カレー好き
29
決してメインキャストとは言えない戦国武将たちにフォーカスしています。麒麟と時代が被るのでより楽しめました。利休切腹の謎や石見銀山を抑えた毛利元就の繁栄など、阿部龍太郎さんが現地を歩いて語っておられます。歴史は民族の肖像画であり、正しく描かなければ自分が何ものかもわからず、過ちを繰り返す。あとがきが印象的でした。☆4つ2020/10/25
金吾
25
△途中で再読本と気づきました。全体的な感想は前回読書時と変わりませんが、木造、九戸、藤堂の話は興味を惹きました。2023/04/03