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内容説明
「家庭を持って初めて一人前になる」とはよく言われるが、実際に幸せになる人はどれほどいるのか? 日本で初めて加害者家族支援のNPO法人を立ち上げ、千組以上の相談にのってきた著者は問う。なぜなら「妻の不妊治療に協力しながら痴漢行為をやめない夫」「家にお金を入れないダメ夫へのストレスから生後間もない息子を殺した妻」等々、家族のせいで不幸になる人が後を絶たないからだ。「加害者家族に共通するのは、極端に世間体を気にし、愛情のかけ方を間違えていること」と著者。家族が本当に幸せになるとはどういうことかわかる一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆみきーにゃ
76
作者読み。やっぱり犯罪を起こす裏には何かしら事情があるんだね。被害者や被害者家族としたらそんな事情は言い訳にもならないんだろうけど。実例がとにかく興味深い。2022/02/19
HANA
72
「幸福な家庭はどれも似たものだが、不幸な家庭はいずれもそれぞれに不幸なものである」と喝破したのはトルストイであるが、本書は著者らしく家族が犯罪者になった、犯罪を犯した遠因を家族に求め、様々なモデルケースと共にそれを考察している。ただどの犯罪も原因を家族問題に一元化するというのは、それはそれで問題があるのではないかという気がする。犯罪が起きた時その原因を安易な所に求め安心するのはマスコミだけで充分だと。ただそれぞれの家族の抱える問題を浮き彫りにし、そこから解決を図るというのは犯罪以外でも有効そうだけど。2022/01/19
ちゃとら
53
【図書館本】図書館で、たまたま見つけた本。『由宇子の天秤』の映画から加害者家族という立場に興味を持ったが、この本は犯罪記事を、なぞっただけのような感じがした。再犯を繰り返す性犯罪者、強制性行、殺人。家庭内の過干渉など何らかの原因が幼少期、家庭環境にあるような描き方もあったがそれだけでは無いはず。残念ながら、著者の感覚のみで深みを感じられなかった。2021/10/13
GAKU
44
加害者家族の悲惨さを描いているが、内容的には以前読んだ鈴木伸元氏の『加害者家族』の方が良かったかな。 2022/03/03
zag2
37
犯罪加害者の家族が置かれる状況を、様々な事例をあげて書いています。全体として、だからどうすべきといった主張はあまり感じられず、ただ事例を書き綴ったような印象ですが、個々の家族にはそれぞれの事情があり、一般論としてどうすべきという形には整理しにくいだろうとも思いました。世間並みの「普通」や、「らしさ」などにこだわり過ぎないことが、犯罪者を生まないために大切だということは納得がいくところです。2022/03/08