内容説明
LGBTの権利拡大や中絶の容認に、猛烈な抵抗を示す人々がいる。米国最大の宗教勢力、聖書の教えを絶対視するキリスト教右派だ。彼らの組織「世界家族会議」とは何か? プーチン大統領と水面下で繋がり、欧州の反リベラル政党、イスラム諸国とも連携する驚異の組織力の源泉は? リベラリズムの世界的浸透に対し、反撃を始めた保守ネットワークの全貌を緻密な取材で描き出す。日本にも迫る価値観の戦争の行方を直視せよ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hk
22
「どんな価値観でも尊重すべき」とするのがリベラル思想だ。だがこの思想はあからさまな自己矛盾をはらんでいる。その矛盾は「多様な価値観を無制限に認めるべきではない」という価値観が出現した時に表らかとなる。まずこの多様性否定の価値観を認めなければ、それはとりもなおさず「どんな価値観でも尊重すべし」とするリベラル思想の自己否定だ。次に「多様性否定の価値観」を認めてしまうと、「どんな価値観でも尊重すべし」というリベラル思想が自家撞着に陥る。このように自家撞着を内在しているのがリベラル思想の特徴。当然、反発は起こる。2019/03/24
乱読家 護る会支持!
4
プーチン大統領とトランプ大統領は、キリスト教右派として繋がっており、「反リベラル」である。伝統主義であり、同性愛者を否定するネットワークが広がる事への警戒を示す本。。。 いまだに聖書に書いていない進化論を信じないキリスト者も多いとも聞きます。 同性愛禁止も聖書に明確に書かれてあるので、なかなかキリスト教右派の人の納得を得るのは難しいのでしょうね。。。2019/03/13
oooともろー
2
反リベラルの中心、プーチン。トランプとのつながり。世界への拡散。日本でも同じような対立。2020/06/20
takao
2
ふむ2019/09/16
masasamm
1
日本でも統一教会や日本会議のような保守派が政治権力と結びつき、リベラル勢力を駆逐しています。これはロシアでもアメリカでも同じような傾向があるようです。この本を読むとその背景が理解できます。ロシアのウクライナ侵攻、アメリカの妊娠の中絶禁止、統一教会の問題、すべてに同じ背景があったということがわかります。必読の本です。2022/08/01