内容説明
戦前最大のオピニオン・リーダー徳富蘇峰。激動の世界情勢のなかで皇国日本の世界的意義と、日本人のための「日本学」の勧めを説いた本書は、戦後、GHQによって発禁処分となった。戦前戦中の日本における国際情勢判断、言論状況、世論の流れなどを理解する一級資料でもある。戦後長く続いた戦勝国史観が揺らぎ、新たな世界秩序が生まれようとしているいま、読むべき一冊!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Ohe Hiroyuki
2
近代を生き抜いたジャーナリスト(國民新聞主宰者)による講演録である。復刊された一冊。▼本書は、主に著者の英国分析と共産主義に対する対策(防共)を説く内容が中心になっている。▼言説はやや個性があるものの、現代を生きる我々にとっても生き生きとして映り、賛否を述べて、今の国際情勢を論じるのにも有用である。▼本書を一読するとイギリスは大した国という感想を持つ次第である。なお、よくよく読むと誰か恐れているかのように思える一幕もある。当時の世情もうかがえる一冊となっている。2019/09/26