内容説明
自らもJOC委員を務めた嘉納治五郎研究の第一人者・真田久が徹底解説!
嘉納治五郎の偉業は講道館柔道だけじゃない!
最先端のスポーツ力学を取り入れ、日本スポーツ近代化に大きく貢献した。IOC委員として、近代オリンピックムーブメントの立役者となった。
NHK大河ドラマ“いだてん”では役所広司さんが演じることでも注目を集める進取の気性に富んだコクサイジン!
目次
はじめに
序 章 「逆らわずして勝つ」
第1章 日本のオリンピックへの関わり
第2章 講道館柔道の創設
第3章 留学生受け入れとスポーツ
第4章 国民体育(生涯スポーツ)の振興
第5章 IOC委員就任とオリンピックへの参加
第6章 関東大震災とスポーツによる復興
第7章 オリンピックの東京招致
第8章 金栗四三――長距離走の普及
終 章 共生社会を目指した嘉納治五郎
おわりに
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まめ@暫くイン率落ちます
41
金栗四三と合わせて購入し補填として。補填としてというのもどうかと思うけれども…著者の方すみません。 嘉納治五郎がいなければ五大陸の輪が繋がるのはもっと後だったのかもしれない。この時期は本書にもあるように世界的に戦争真っ只中。その中で自他共栄精神は見習わなきゃ。2019/03/19
柔
32
「逆らわずして勝つ」という発想のもとで、日本スポーツの発展に貢献。講道館柔道の創始者というイメージしかなかったが、日本初のIOC委員就任、東京五輪招致の中枢を担うなど活躍は多岐に渡る。関東大震災時には今だからこそ「スポーツの力が必要だ」と大会は予定通り開催、国際大会には選手を派遣、復興時に競技場を設置するという意志を実行。それは、国民の激励となり大成功となった。自ら創始した柔道を五輪種目に働きかける事はなかったという事実も嘉納先生の人間性を表す。コロナ渦の今、嘉納師範だったらどう出ただろうか。2020/04/22
金吾
21
柔道で有名なことは知ってましたが、名前しか知らないレベルでしたので人物像が知れて良かったです。視野が広く懐が深い人だなあと感じました。2024/03/05
サケ太
18
「個人の人格的完成による社会変革」を目指した伝説的指導者、嘉納治五郎。柔道創設、スポーツ普及、留学生受け入れ、オリンピックへの参加。柔道だけではない、男の生涯を簡潔に追える。今でさえ通じる、「精力善用・自他共生」という考え方。面白くなければ、簡単に始められなければ続かない。IOCの人々からも尊敬されたその人柄と考え方。柔道が世界中に広がったのも納得。2019/01/12
羽
15
講道館柔道や1940年の幻のオリンピック招致で有名な嘉納治五郎。2019年の大河ドラマ「いだてん」でご存知の方も多いでしょう。スポーツをする目的は、勝ち負けではなく、身体を強くし、礼儀やマナーを身につけ、長く続けることで心身ともに健康でいられること。国籍・性別を問わず、費用がかからず、器用不器用関係なく続けられるスポーツとして、走ることと泳ぐことを推奨しました。オリンピックや箱根駅伝などのスポーツ観戦が国民に与える影響も計り知れません。今年はわたしが生まれて初めて日本でオリンピックが開催されます。楽しみ!2021/07/16