内容説明
あなたの心、研ぎ直します
堺で代々刃付けと呼ばれる研ぎの工程を担っている一家に生まれた凪。
鍛治が打った刃物を研いで鋭くするだけではなく、古い刃物を研ぎ直すこともある。
ある日、凪のもとにひとりの少年が訪れる。
彼は、真ん中で折れた包丁を研ぎ直してほしいと依頼するが、そこには秘密が隠されていた！？
くたびれた刃物も、隠された持ち主の想いも、凪の手によって研ぎ直されていく……。
◎目次
プロローグ
第一話 とんかつと牛刀
第二話 鱧と骨切り包丁
第三話 古墳と昆布と煙草包丁
第四話 たまごサンドとパン切り包丁
第五話 水茄子と三徳包丁
第六話 穴子と出刃包丁
第七話 金魚と夏祭りと水本焼包丁
◎著者
遠原 嘉乃（とおはら・かの）
大阪府出身。2015年11月に第3回「なろうコン大賞」受賞作『騎士団付属のカフェテリアには夜間営業をしておりません』（双葉社）で書籍デビュー。
2016年4月に同シリーズ2巻を、2017年4月、『化けてます、こだぬき、落語家修行中』（同社）を刊行。
カバーイラスト
くっか
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
papako
66
お気に入りさんのレビューで。大阪堺の包丁研ぎの家に生まれた凪が、家族に、周りの人達に、包丁に向き合っていく。お祖父ちゃんの『女の子はそんなこと〜』愛情からなんだけど、凪は『そんなこと』が極めたい。包丁の蘊蓄もあり、楽しめました。私もちゃんと包丁研げるようになりたい。なんとなく上手く研げるときとダメな時があって難しいです。京都の中華料理のネタで『宝舞系』が出てきてテンションあがった！閉店してしまったお気に入りのお店でした。ほんと宝舞だけはまた行きたい。行けないけど。2020/07/01
はつばあば
54
田舎モンの私が堺と縁を結んだのは、今は転勤で東京にいる次女がそちらの大学に進んだ事と転勤転勤で堺に舞い戻った一昨年迄の事。「流石！堺と言わせる和菓子」の数々を味わう事にも恵まれました。包丁はその家の主人が研ぐものとずっと思っていたのに、亭主の研ぐ包丁はあまり切れず・・「あんた鍛冶屋の息子やのに包丁も研げんの？」それ以来我が家の長は私。包丁の波型も消えとうとう年末に研ぎに初めて出しました。本当によく切れます(^^♪。この本は堺を知る事も包丁の事も丁寧に教えてくれました2020/02/11
hirune
41
【Kindle】堺という町の歴史や伝統工芸・老舗の和菓子や包丁の蘊蓄なんかがギュギュッと詰め込まれたお話しでした。興味深い町ですね😄あと 今やってる朝ドラのモデルの女性も、伝統工芸の中で女性というだけで否定され 排斥されて苦労したように、主人公の凪も職人として生きたいのに 女性であることで認められないと葛藤しています。まぁ凪の周りの人々は優しい良い人ばかりだから、どちらに転ぶも凪次第なのですけどね〜☆2019/11/07
たるき( ´ ▽ ` )ﾉ
31
Kindle Unlimitedにて。包丁研ぎの奥深さがひしひしと伝わってくる。柳刃包丁を買う時、包丁について丁寧に説明してもらって凄さを感じたけど、更にリアルにイメージできるようになった。2021/01/28
coco夏ko10角
26
堺にある研ぎの工程を担っている高落刃物製作所で生まれ育った凪、高校を卒業し仕事のことや家の今後…。包丁がテーマの小説は珍しく、包丁の違いやその包丁を使ってる人たちの物語などよかった。2021/02/18
