講談社文芸文庫<br> 作家は行動する

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講談社文芸文庫
作家は行動する

  • 著者名:江藤淳【著】
  • 価格 ¥1,375(本体¥1,250)
  • 講談社(2019/01発売)
  • ポイント 12pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784061984042

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内容説明

「人間の行動はすべて一種のことばである」――文体は書きあらわされた行動の過程、人間の行動の軌跡である。ニュー・クリティシズムやサルトルの想像力論の批判的摂取を媒介に、作家の主体的行為としての文体を論じた先駆的業績であり、著者自らの若々しい世代的立場を鮮烈に示した初期批評の代表作。石原慎太郎、大江健三郎らの同世代の文学と併走しつつ、文学の新たな可能性の地平を提示する。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

氷柱

4
1146作目。4月13日から。戦後の時代を取り巻く作家の世界の空気の一端を垣間見ることのできる稀有な一作。思想強めなので片目で読むくらいがちょうど良いが、片目で読めるほど手軽な文章ではないのが難点。後半に進むにつれて内容の自由度が増して行く辺りから牧歌的な雰囲気を読み取ることができる。(結構な分量を書いた後、枠外を誤クリックしてしまい書いた感想が全部消えたので書き直しをした泣)2025/04/16

ミスター

2
今読むと当時の流行作家を称賛している仲間内の本に読めてしまう。最後に福澤諭吉を評価して終わるのだが、正気か?と思った。2020/02/22

トックン

1
「もはや戦後ではない」から4年後の1959年日本。氏は「文体」という名の文学者の行動(アンガジュマン)を模索する。小林秀雄的な凹型の<時間>の停滞した非歴史的蟻地獄ではなく、凸型の<時間>を自ら生成する「想像力」を持った「正の文体」を大江・石原や漱石等に見出す。江藤の「自然」は凡百の生を剥奪する物でなくメルヴィル的な闘争を惹起する物として立ち顕れる。然し自然(「岸のない巨大な河」)の前で人は平等となり凸への志向は挫折せざるを得ないが作家は讃歌を止めない。フィクション(擬制)を暴く疎外論風が目立った。2017/04/16

hobby no book

0
いまいち文学観が合わないというか、想像力を峻別しようとしていてその基準が狭量だなあと感じながら読み始めたのだけれど、書いた時の年齢や立場を考えればこれだけで判断はできないという感じで、また別の著作を読みたい。名前の挙がっていた作家では石川淳が気になった。2015/11/04

ほたぴょん

0
文体とは作家の「考える」という行動の軌跡であり、そこに読者を巻き込み、ともに思考に参加させることこそこれからの文学に必要なことだ、という視座からの評論。江藤淳のスタート地点って、時期的には遅れてるけど、紛れもなく戦後派の一端だったんだよなあ。本人も後から認めるとおり、頭で考えた批評ではあるが、それをもって本書を論難するのはフェアじゃないね。2010/01/28

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