内容説明
ゴー・ストップの得点に絡み、相手の癖、サイン、能力を見極め、10番目の選手でもありサインを送る監督代行でも。また時にその存在を超え、士気を鼓舞する。ここが野球を制する!ノンフィクション。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マッちゃま
16
三塁ベースコーチにスポットを当てた内容。彼らの表の仕事とは、監督からの指示を選手にサインを送り知らせる、塁上の走者に次の塁へストップかゴーかの判断を伝える役割り。敵には解りにくく味方には伝わり易いブロックサインの出し方を研究し、1つでも先の塁へ進める様に敵の守備位置や捕球体勢、癖や身体能力や怪我の有無、天候や風向きに芝の生え方まで検討する。成功は選手の手柄で失敗はコーチの責任。割りの合わない仕事とも言えるが、其処にやり甲斐を見つけ己の研鑽を積む男たちがいる。そう、彼らの頑張りがチームを勝利に導くのだから。2021/06/13
nishiyan
10
成功して当たり前、失敗すると「壊れた信号機」と酷評される三塁ベースコーチ。地味でありながらもその役割は走攻において重きをなしている。豊富なインタビューと資料を元に読み解くノンフィクション。上田利治氏が捕手を「守りの監督代行」といい、三塁ベースコーチを「攻めの監督代行」と語ったのは印象深い。その立場は監督の傾向を見抜きつつ、状況に応じて最善最良の指示を選手に送らねばならない難しいもの。必要な適性は野球の知識のみならず、前向きな性格、そして運というのは面白い。野球は考える時間が長いスポーツゆえだろう。良書。2021/02/24
さーくる・けー
6
三塁コーチの重要性や奥深さを知ることがでいました。プロ野球の三塁コーチは「いぶし銀」タイプばかりですね。2019/02/02
きのやん
1
筆者がよく取材していることは間違いない。いい話もたくさん出てくる。だが、文章が壊滅的に下手なので読むのが苦痛でしかたがなかった。モノカキにとって最も大事なものは文章力なことを教えてくれる名著。2020/03/29
Shinya Fukuda
0
殆ど脚光を浴びることのない地味なポジションだが強いチームには必ず優れた三塁ベースコーチがいる。二塁から間一髪で生還し、それが決勝点にでもなれば称賛されるのは走者、三塁ベースコーチが称賛されることはない。本塁で憤死すれば三塁ベースコーチの判断ミス。何とも割りの合わない役回りだがこれが攻撃に於ける監督代行と言われるポジションなのだ。メジャーリーグでは次期監督候補がつく役職らしい。高代延博、森脇浩司という2人の現代の名コーチについては詳しく書かれている。2019/12/28