内容説明
変化を続けるデジタルゲームのあり方を2010年代を中心に論考し、ゲームがどうあろうとしているのか、そして考える!
デジタルゲームというメディア固有の体験は我々の世界観をどのように変えるものなのか。物語や表現を分析する従来の批評の枠組みだけでは、ゲームとは何かを論じることは容易ではない。インタラクティブ性に代表されるゲームの特質を解読するため、これまでにない視点を開拓した新時代の評論集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kana
31
そうそうこういう話がもっとしたかったんだ!と叫びたくなる、興奮冷めやらぬ読後感。ゲームは、文学や映画や絵画やテレビ番組などと並列に一つのメディアでありコンテンツとして多面的な批評性を持ち、ゲーム実況が生まれたことでさらにその在り方が拡がって、超面白いんだけど、日本で語られる場は少なく、私もうまく周りに伝えられないなともやっとしていたのですが、超頭のいい人たちが適切に言葉にしてくれていて感動。ゲームジャンル内の批評からメタゲーム的な視点へと広がる構成も秀逸で最終章のゲームの叙事性についての考察は痺れました。2022/03/20
takka@ゲーム×読書×映画×音楽
15
ゲームとシステム、ゲームと身体、ゲームと社会、ゲームとゲームの4章で様々な視点・論点から考察した評論集。「反転する原作」では、原作があるゲームのキャラから世界観という変化について述べている。「不幸な未来もゲームが作るのか?」ではゲーミフィケーションの悪い側面を政治から考える。「21世紀版ものへの問い」は艦これ・FGOで当てる人間キャラは「もの」なのか「物」なのかをまとめている。中には、ゲームの感想のようなものもあったが比較的いい評論が多く、ゲームへの新たな視点が広がった良書だった。2024/06/28
niz001
5
ここ数年一気に増えたゲーム論本。幅広いテーマで『プレイヤー』から。理屈はわかるけどパチンコについて載ってるのはやっぱりちょっと違和感。2019/01/27
Jey.P.
3
ゲーム批評集。興味深い論点もあったが、各論のページ数が少ないためかゲーム紹介以上の掘り下げが少ないものもある。バトルロイヤルの問題点についてはその後のApex Legendsの登場を考えると慧眼だった。デジタルゲームと人生のフィクション性を重ねた論も好き。パチンコをゲームの観点から見るのもbgmなど興味深い。ポストトゥルース、オルタナ右翼、ゲーミフィクションの論はもっと掘り下げられた本があるが、着眼点としては秀逸。2021/03/13
ディス
2
○。批評集。良い/微妙が混在しているけど、どちらかと言うと微妙が多い印象。そもそも語る内容と紙幅のバランスが悪いような気がする。2024/10/26