内容説明
東西の交易の中心として栄えるオアシス国家リオラン。ある日、アラバスをはじめとする3人の王子は、美貌の第二王妃カトラッカとその腹心エスクリダオにそそのかされ、この世を統べる力があるという〈竜鏡〉を探す旅に出る。しかし、それは世継ぎを追い出し、すべての権力を手中に収めようとする王妃らの陰謀であった。アラバスらは無事に国を救うことができるのか。魔法が飛び交い、陰謀が渦を巻く、東方異世界ファンタジー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mocha
94
3人の王子が王の妾姫に言いくるめられて旅に出る。この王子達の未熟さが歯痒くて、いっそ悪役エスクリダオの切れっぷりの方が小気味いい。乾石さんの作品はきめ細かく作り上げられた異世界にすうっと入り込めて好きなのだけど、この作品はいつになく大雑把で、粗筋を読んでるみたいだった。主人公がナナイ・バンダクだったらもっと楽しく読めたかも。2020/11/07
ぽろん
31
一番、成長したのはアラバスか?!ちょっと話が複雑でついて行くのに疲れたかな。 2019/03/19
豆乳くま
22
オーリエラントシリーズでは無いもののやはり乾石さんらしい闇と魔術と輪廻の世界観。豊かなオアシスの国リオランの3人の王子は美しい第二妃カトラッカと腹心のエスクリダオの口車に載せられ魔鏡を探す旅に出るが。3人の王子がクズで気持ちが入らなかったが、だんだん冒険活劇の様な展開が作者にしたらアクティブな感じ。話のキーマン、エスクリダオの正体と輪廻のループが始まりそうになると俄然楽しくなってきました。王子2人は成長し一人は堕落、エスクリダオに救いがないのはちょっと辛い最後でした。2019/09/13
すがはら
19
大分前の作品ですが作家さん読み。ぐいぐい引き込む感じはさすが。序盤で王子三人なのに「現王の血をひくのはこのうち一人だけ」だなんて驚かせて、それでも「王子」の定義とか説明無く放置で読者に考える準備をさせるのもこの作家さんの技か。アラバスの成長は良いけど裏の主役エスクリダオに救いのないままだったのがスッキリしない。だいたい女神の怒りを買ったのは女の方なのに、どうして影を背負わされた男ばかりが苦悩する流れなのか。ネオクは好き放題やってもおとがめなしなのに。世の理不尽と人のたくましさの印象が余韻になりました。2019/07/06
きょん
14
通奏するテーマは闇と向き合い受け入れ制御しながら生きる事かな。甘ったれで自信過剰な王子達が旅の経験を通じて成長していく所は爽やかだけど、もう一人のキーパーソンであるジャフナ王女側の話も読んでみたかった。2019/03/18