光文社古典新訳文庫<br> チャンドス卿の手紙/アンドレアス

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光文社古典新訳文庫
チャンドス卿の手紙/アンドレアス

  • 著者名:ホーフマンスタール/丘沢静也【訳】
  • 価格 ¥913(本体¥830)
  • 光文社(2019/01発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 240pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784334753887

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内容説明

なぜ、若き文豪は筆を折ることにしたのか? 言葉はウソをつくから当てにならない、と気づいたチャンドス卿が、もう書かないという決心を流麗な言葉で伝える「チャンドス卿の手紙」。世間知らずのうぶな青年の成長物語「アンドレアス」(未完)。世紀末ウィーンの神童ホーフマンスタールの代表作を含む散文5編を収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

コットン

56
5編の散文。『チャンドス卿の手紙』以降、著者は仕事の軸足を演劇に向かわせたと解説で書かれているように、この物語を読むと視点が見ることに重きを置いていることが分かった。2019/03/25

ころこ

31
目を惹くのは1902年に発表された『チャンドス卿の手紙』でしょう。断念されたというベーコンに宛てた手紙が、解説ではウィトゲンシュタインと並んで「語り得ぬもの」、つまり超越論的仮象の倫理を示しているとしています。あえて異なる読みをすれば、この言葉を失った断念を、不能性の問題と考えられないでしょうか。近代のはじまりには展望があった。既に小説の可能性は汲み尽くされて、20世紀には才能を発揮できる新しい地平は広がっていない。決定的に出遅れた20世紀人として、自らの存在は必然的に不発に終わらざるを得ない。三島由紀夫2018/11/15

ぺったらぺたら子 

25
命のかたちを芸術家は本当に見、そして描いてきたのか。世界を裸のままに受け取る事を妨げる制度としての言葉や概念。記号による分割で表現されたものを集めた還元主義によって、世界は再現出来るのだろうか。文化や常識、モードやコードによる恣意的な角度を強いられた美は命を伝えているのだろうか。形式は素材に対して謙虚でありうるのだろうか。形式は素材から命を奪い、また、形式を外れた素材・ノイズを見えなくさせてはいないだろうか。チャンドス卿的転回とは魂の再発見であり、「からだ」の復権であり、有機的な全体性との邂逅である。2020/04/16

かふ

18
ウィーン世紀末の作家ホフマンスタールを決定付けた『チャンドス卿の手紙』は、芸術を志す詩人のような表現者である主人公(貴族的)の足元が崩壊して、精神の彷徨う姿を描いている。それは今の電脳空間の社会とも関係があるよに思える。つまり精神と肉体が分離されて、身体が彷徨うしかない状態なのだ。そこに主人公は言葉の限界(電脳社会に通じる)を感じ神の姿を見てしまうのだ。それは世界の現れとしての神で、ベーコンへの手紙という作品スタイルも、そういう精神世界のことに言及しているのだ。2022/11/10

ふるい

12
数多くの芸術が花開いた世紀末ウィーンにおいて神童と称された、若きホーフマンスタール。「チャンドス卿の手紙」をはじめとした彼の極めて端正な散文は、言葉と向き合い続け精緻な探求を行った文学者の一つの到達点と言えるだろう。「第674夜のメールヘン」が好きなんだけど、タイトルはどういう意味なんだろう。未完に終わった「アンドレアス」は、どのような結末を迎える予定だったのか。2019/12/25

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